誰にも言えない秘密。2 (ページ43)

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毎秒ごと伝えてみせようか＿niym ページ43

×同期

爪伸びたなぁ、とか爪もだけど髪も伸びたなぁ、とか。そんなどうでも良いことを考えながらソファでだらだらしていたらズンズンと前から新山くんが歩いてきた。

「どしたん」
「………」

こちらの問い掛けに無言のまま隣に座ったかと思えば、尻ポケットにスマホを入れていたせいで居心地悪そうに身を捩った後スマホをポイ、とテーブルに乱雑に放った新山くん。

…あ、これ何かあったな。何となく察した私は新山くんが話し始めるのを待つことにした。

「………あーーーしんど…」

隣にいる私だからこそ聞こえるくらいの声量で、ぽつ、と新山くんが呟いた。ずるずるとソファに身体を沈ませ、私の肩に凭れ掛かる彼をじっと見つめながら「何かあった？」と問い掛ける。

「人の言葉って怖いよなぁ」
「またエゴサしたの」
「しゃーないやん、気になるし」

それでこんな風になるならしなきゃいいのに。って、前にも言った気がする。新山くんがエゴサ好きなの知ってるしまぁ私もするし、気持ちはわからなくも無い。でもそれでいちいちメンタルやられるくらいなら、やっぱりしない方がいいと思うのだけど。

「A、俺おもろいよな？」

やっぱり私にだけ聴こえるくらいの声量で、舞台上とは打って変わって自信なさげに問うてくる。こんなこと聞かなくていいくらい、自信を持っていいのに。誰よりも面白いことは、私が一番知っている。

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