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「さや香新山のSNS恋愛相談所〜！どうも、さや香新山です。本日のゲストは同期のAに来てもらいました！」
「どうもー、Aです。宜しくお願いしまーす」
「このコーナー初？」
「初めてだねー」
やっと呼んでくれました〜と、にこにこしながらAがカメラに向かってピースした。うわ、今のめっちゃかわいい。でも仕事中やし他のスタッフおるしそんな事言えん。俺は手元の進行表に目を落としながら、じゃあ早速、と切り替えるように話を進めていく。
「今日はなんで自分が呼ばれたか分かってますか」
「え、何か理由があるの？」
「視聴者の方に出てもらいたいゲストを募集したら、Aが一位やったって」
「私が一位？嬉しいけど何でだろ」
「理由もちゃんと届いてて、にーやんと仲が良い同期のAちゃんとの恋愛トークが聞きたいとか、浮いた話を全く聞いたことがないから聞き出して欲しいとか来てんねん」
そんな興味あります？と、Aがケラケラ笑いながら言う。俺がもしファンの立場なら、知りたいと思うだろう。それくらい俺が知る限りAは表立って恋愛の話をしたことがなかったからだ。
「というわけで今回は特別企画！AAの恋愛観を徹底的に吐き出してもらいます！じゃあ早速、Aの好きなタイプは？」
「急に始まるじゃん！えー…好きなタイプ…うーん、面白い人かな。笑わせてくれる人」
好きな人の前で態度が変わるかどうか、付き合ったら何と呼ばれたいか、初恋はいつか、これまで付き合った人数は等ありきたりな質問を散々した後、俺は台本にない質問をAに問い掛けた。
「結婚願望はありますか」
「…あります」
……つい、Aを見つめてしまった。あるんや、と思った。それってつまり、俺との将来のこと考えてくれてるって思っていいのだろうか。妙な沈黙に耐えきれなくなったAは、前のめりになりながら「めちゃくちゃあります！」と割と大きな声で宣言してスタッフの笑いを掻っ攫っていた。
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作者名：あず | 作成日時：2024年3月16日 10時
