誰にも言えない秘密。2 (ページ24)

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期待通りに攻略させて＿isi ページ24

×同期

「いしーいちゃん。隣良い？」
「おう、えぇで」

地方でのイベントを終えた帰り、窓際の席に座って膝の上にゲーム機とスマホを並べていると頭上から声が掛けられた。いちいち見なくても声だけで分かるから見向きもせずに了承すると、お邪魔しまーすと言いながら隣にAが座る。

「あ、いつものやつ？」
「なにいつものって」

リュックからAirPodsを二個取り出すなりAがそう言うから、思わず手を止めてそっちを見た。Aは俺が持ってるAirPodsを指さして、ゲームしながら動画見るんでしょ、と続ける。あぁ、いつものってそういうこと。

「片っぽ貸して。動画の方がいいな」
「えぇけど」
「ありがと」

左用をAに渡すと、Aはそれを耳に着けたあと自分のリュックから文庫本を取り出した。…本読むなら雑音とかない方がえぇんちゃう？そう思ったが、Aの好きにさせることにした。

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隣に座っているからといって互いに会話するでもなく、俺はゲームと動画視聴、Aは読書と動画視聴をしながら移動時間を過ごしていた。一時間ほど経った頃、不意に左肩が重たくなってチラ、と隣を見るとAの寝顔が目に入った。

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