誰にも言えない秘密。2 (ページ19)

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君ってやつは本当に＿niym ページ19

×同期

出番を終えて楽屋に戻り、ソファに腰掛けながらSNSを何となく眺めていたら昨夜放送されたばかりの予告動画が流れてきた。思わずぴたりと手が止まる。

前に別の動画で東京のテレビに出る時は髪をちゃんとセットする、と言っていた通りしっかりセットして、スーツに眼鏡ときたら完璧過ぎる。何このビジュアル。まだ見てないけど帰ったら絶対見よう。

「──…何見てんの」

その声と同時に身体の右側がガクン、と沈む。隣を見ると、同じく出番を終えた新山くんがこっちを見ていた。

「昨日のやつ」
「何で今見てん」
「たまたま流れてきた」

そう答えると、新山くんはふーん。とさして興味無さそうに返事をした。そういえば、今日の新山くんは珍しくカッチリしたスーツにネクタイ、それに眼鏡をかけている。画面の中の新山くんと違うのは、髪をセットしているかしてないかだけだった。

「珍しいね。ここでそんなカッチリした格好」
「完全に気分やなぁ」

ソファに深く腰掛けていた新山くんが背中を起こし、ふぅ、とため息を吐きながらネクタイの結び目にグッと指を差し込んだ。思わず凝視してしまうのも仕方ない。左右に揺すりながら緩める仕草は、どうしたって格好良く見えるものだ。

「……見過ぎやろ」
「え、だって……仕方なく無い？」
「なにが」

なにが、って。絶対分かってるくせに聞いてるな。新山くんの顔を見たら分かる。眉を寄せながら新山くんを見たら、へははっていつもの笑い声がした。

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