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「これでやっと惚気から解放されるわ〜」
「いやほんっとに酷かった」
新山ガールズこと、大東くんとピーナツが口々に言う。え、何にーやん惚気けてたの？ちょっと詳しく聞きたい。
「ほんっとうにおめでとうございます！めっちゃ嬉しい〜！！あ、写真撮っていいですか？！」
そう言うなり、グイグイと荒川ちゃんに押されるままにーやんの隣に座らされた。その反動で身体がぐらつくけど、グッとにーやんが肩を抱き寄せてくれる。すると周りがワッと盛り上がるので、いよいよ消えてしまいたい衝動に駆られてしまった。何これ、お祝いしてくれるのは嬉しいけど恥ずかしすぎる…！
「もーー…にーやんのせいだよ…」
「ごめんって。…嫌やった？」
「嫌じゃないけど……」
こそこそ耳打ちしあってると、離れたところから「すっかり二人の世界やなー」と石井ちゃんの声がする。あ、石井ちゃんも茶化すタイプ？目が合うと、にたぁって笑われた。まぁ、うん。私は私で石井ちゃんに相談してたからね。その節はありがとうございました、と心の中でお礼をした。
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にーやんに肩を抱き寄せられた私と、カメラに向かってドヤ顔するにーやんのツーショを載せた荒川ちゃんのポストもまたバズってしまった。まぁ、想定の範囲内だ。他の後輩や先輩方、そして同期からも愛ある弄りや祝福のポストが流れてくる。見たことないツーショ付きで祝ってくれるのは嬉しいけど、いつ撮られたんだろう。全く記憶にない。
さて、後は私だ。落ち着くのを待って数日間更新しなかったけど、そろそろ何かアクションを起こさなければ。チラ、と隣にいるにーやんを見遣る。そういえば、自撮りツーショって載せたことなかったかも。スマホ片手に撮影しようとすると、パッとにーやんがこっちを向いた。あ、ナイスタイミング。
「…報告が遅くなりすみません。皆様ご周知おきのとおり、さや香新山さんと付き合うことになりました…と」
「堅苦し過ぎるやろ」
口に出しながら本文を入力すると、至極当然なツッコミが入った。そんなにーやんに寄り掛かりながら楽屋を見渡し、つとにーやんを見上げてみる。意図を察したにーやんの顔が近付いてくるのと同時に目を閉じて、触れ合わせるだけのキスをした。──鳴り止まない通知音すら、今はただ心地良かった。
end.
両片想いで仲良しのniymさんと付き合うお話。周りの反応がんばりました。リクエストありがとうございました!
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作者名：あず | 作成日時：2024年3月16日 10時
