誰にも言えない秘密。2 (ページ11)

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世界が祝福で包まれる＿niym ページ11

リクエスト作品。×同期

「にーやん」

返事もせず、素直に振り向いたにーやんにスマホを向けると無防備そのもののにーやんが撮れた。眼鏡をかけて白のロンT、髪もセットせずゆるっとした姿でリラックスモードのにーやんだ。隣に座って撮ったばかりのにーやんを本人に見せようとすると、無機質な撮影音が聞こえた。

「…今撮った？」
「うん」
「え、やだ絶対変な顔してる」
「いつも通りちゃう？」

ほら、と言いながらにーやんが画面を見せてきた。覗き込んで見ると、かわいい。という文言付きでXにポストされているではないか。ものの数秒でアップしたらしいそれに、ものの数秒でいいねがつくのも恐ろしい。…ようし、こうなったらこっちだって。そのポストを引用して、さっき撮ったにーやんの画像を添付して、それから……

「かっこいい。…と」
「引用したん？」
「したした」

数秒前に引用したそれに、秒でいいねがついた。相手はにーやんだ。思わず声が出た。くだらないけど、にーやんとこういうしょーもないことをするのが好きだ。多分それは、にーやんも同じだと思う。

「…ねぇにーやん、」
「ん？」

…好き。と、危うく口に出しそうになって、ぐっと口を結んだ。居心地の良い、良すぎるこの関係がもし崩れてしまったら。そう思うと、そう簡単に想いを伝えるなんて出来なかった。これでいいんだ、これで。にーやんは、大切な同期。にーやんにとっても、私は大切な同期。このままでいいんだ、きっと。

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