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「あれ、本命やろ」
新山さんから発せられた言葉に、思わず耳を疑った。あの日、新山さんに渡したチョコは紛れもない本命だった。でもそんな雰囲気欠片も無かったし、私も私で完全に勢いで余ったからあげます！なんて失礼極まりない渡し方をしたのに、どうして新山さんは本命だ、って分かったんだろう。
「──…違う？」
思考が、全然ついていかない。私の脳はまだ、どうして本命って分かったの、とそればかり考えている。何か言いたくて、でも言葉にならなくて口をはくはくしていたら、眉尻を下げて苦笑する新山さんと目が合った。
「…言い方変えるわ。A、俺のこと好き？」
好き、という単語だけが明確に、ダイレクトに脳に飛び込んでくる。好き、誰が、新山さんが。簡単に応えに辿り着くと、こくん、と頷いていた。頷いて数秒後、自分がとんでもない事をしでかしたことに気付いてバッと顔を上げる。私、今………
「…すき？」
「〜〜…っ、」
にいやまさん。その顔、反則です。ばくばくと、心臓の音がうるさい。新山さんに聞かれたら、笑われちゃう。下唇をギュッと噛み締めてみるけど、まるで意味が無い。あぁやだな、変な顔してないかな。視線を外してみるけど、結局また新山さんのところに戻ってくる。だって、新山さんが私だけを真っ直ぐに見てくれているから。
「…すき、です。新山さんが好きで、…だからわたし、」
言葉の続きは、新山さんの唇で塞がれてしまって声にならなかった。……キス、されてる。そう頭で理解した頃には離れていて、たまらず自分から唇を押し付けた。触れるだけのキスを何度も繰り返す。合間にそっとA、と囁かれたのは都合の良い聞き間違いだろうか、
「…ごめん、なさい、私…」
「なんで謝んの」
「だって、」
「俺のこれも本命なんやけど」
再び目の前に現れたそれと、新山さんを交互に見る。聞き間違いじゃなければ、今新山さんが言ったことって…
「……私の事、好き、ってことですか…？」
「そう。…好きってこと」
end.
義理チョコっぽく渡したのにホワイトデー当日に「本命やろ?」と聞いてくる上司のniymさん。というリクエストをお題箱にいただき書かせてもらいました。ありがとうございました…!
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あず(プロフ) - りほさん» りほ様、コメントありがとうございます！申し訳ございません、リクエストはsykのみ受け付けております…！skmtさんを書かれている素敵な書き手様は沢山いらっしゃるので、そちらにお願いされると良いかと思います🙇♀️ (3月13日 20時) (
レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
りほ - 可能であればﾏﾕﾘｶ阪本くんお願いします。 (3月13日 19時) (レス) id: 699054d884 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - こっちさん» こっち様、コメントありがとうございます！isiさんの作品を褒めて貰えてとっても嬉しいです🥲🤍片方に偏りがちなのでもう少し頑張って書きますね…！またぜひ読みに来てください〜！ (3月13日 18時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
こっち(プロフ) - はじめまして。たまに書いてくださるisiさんがほんとにステキで毎回キュンキュンしてます✨✨これからも応援してますね🖐️ (3月13日 1時) (レス) @page44 id: c0844398d9 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - まめさん» まめ様、コメントありがとうございます！わ〜〜嬉しいです…！🥲🤍励みになります。もっと刺さるお話が書けるように頑張ります🌟 (2月25日 12時) (レス) @page7 id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月23日 10時
