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仕事に没頭していたら、あっという間に定時を迎えたらしい。席を立つ同期にキリが良い所までやって帰るね、と告げてバイバイ、と手を振り返した。──それから小一時間が経ってようやく仕事を終えた私は、帰り支度をしながらチラ、と視線を新山さんの席に向けた。鞄、まだ残ってるんだよね…もう少しいたら、帰ってきたりして、
「──またAが残ってるやん」
新山さん、とこぼれ落ちた小さな声は聞こえなかったみたいだ。自らのデスクに向かいながら、新山さんは残業し過ぎたらあかんで、と至極当然のことを言う。一ヶ月前の、バレンタインデーと同じシチュエーションになる、なんて想像してなかった私は少し、ほんの少しだけ緊張していた。…別に、期待してる訳じゃないけど。
「もう終わったん？」
「はい、今日の分は…」
「お疲れ」
ちゃんとこっちを見ながら労いの言葉を掛けてくれるこの人が、たまらないくらい好きだと思った。好き、…すきです、新山さん。今日のスーツも、シャツの色もネクタイも、きっと大事な会議があったのだろうしっかり整えられた髪型も。…こんな事言わないし、言えないけど。心の中で思うくらい許して欲しい。
「──…A？」
「ッ、」
「何ぼーっとしてん。疲れてるんちゃう？」
帰り支度を済ませた新山さんが、いつの間にかすぐそばに居た。頬に集まる熱を無視しながら私も帰り支度を始めたけど、一向に新山さんがその場を離れない。…先に帰らないのかな。そう思って振り向くと、目の前で揺れる小綺麗な袋が目に入った。これ、ってもしかして…
「バレンタインのお返し」
「…え………？」
……嘘。まさか、本当に？目の前の袋と、それを差し出す新山さんとを交互に見る。いいのかな、受け取って。ゆっくりと手を伸ばして受け取ろうとした瞬間、ひょい、と袋が上に持ち上げられた。きょと、として新山さんを見る。目が合った新山さんは、なんだか少し悪い顔をしているような……
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あず(プロフ) - りほさん» りほ様、コメントありがとうございます！申し訳ございません、リクエストはsykのみ受け付けております…！skmtさんを書かれている素敵な書き手様は沢山いらっしゃるので、そちらにお願いされると良いかと思います🙇♀️ (3月13日 20時) (
レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
りほ - 可能であればﾏﾕﾘｶ阪本くんお願いします。 (3月13日 19時) (レス) id: 699054d884 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - こっちさん» こっち様、コメントありがとうございます！isiさんの作品を褒めて貰えてとっても嬉しいです🥲🤍片方に偏りがちなのでもう少し頑張って書きますね…！またぜひ読みに来てください〜！ (3月13日 18時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
こっち(プロフ) - はじめまして。たまに書いてくださるisiさんがほんとにステキで毎回キュンキュンしてます✨✨これからも応援してますね🖐️ (3月13日 1時) (レス) @page44 id: c0844398d9 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - まめさん» まめ様、コメントありがとうございます！わ〜〜嬉しいです…！🥲🤍励みになります。もっと刺さるお話が書けるように頑張ります🌟 (2月25日 12時) (レス) @page7 id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月23日 10時
