好きだからしたい＿isi ページ44
×後輩
石井さんはよく、"かわいい"と言われることが多い。確かに新山さんと比べると小柄なところとか、大きな瞳とか、それこそ笑った顔だとか、後輩の私から見ても可愛いと思う。
…でも、私は知ってる。石井さんは、ただ可愛いだけじゃないってこと。というより寧ろ、格好良いだと思う。知れば知るほど、というかなんというか…
「何考えてんの」
「…格好良いなぁ、って思って」
「誰が」
「誰って石井さん以外にいます？」
あ、俺？そう言いながら、石井さんが隣に腰掛けた。くたくたのソファがぼふ、と沈んだ拍子に体がぐらついてしまう。倒れずに済んだのは、石井さんが咄嗟に支えてくれたからだった。
「体幹よっわ」
「…可憐な乙女なので」
「誰がやねん」
石井さんの鋭いツッコミに思わず笑みがこぼれた。いいなぁ、石井さんのそれこそ可愛い見た目に反したちょっと乱雑な言葉遣い。でも決して語気は強くなくて、ちょっと呆れてる感じ。…もうちょっと、このままでもいいかな。石井さんに寄りかかったままチラ、と視線だけ向けてみる。
「…石井さん」
「ん？」
まんまるの、石井さんの大きな瞳。そこに映っているのは、私だけ。胸の奥がきゅう、と音を立てる。私はやっぱり、この人がたまらないくらい好きみたいだ。
「……キスしたいです」
「キスは好きな人とするもんやろ」
どこかで聞き覚えのあるフレーズが返ってくる。石井さんは、時々意地悪だ。私の気持ちに薄ら気付いてるくせに、こうやってはぐらかす。はぐらかすのは、私のことが好きじゃないから？ただの後輩だから？
「石井さんが好き、って言ったらしてくれますか」
そう言い切った後も、石井さんから目を逸らさなかった。ねえ石井さん、私本気だよ。本気で石井さんのこと──…想いを言葉にしようと口を開きかけて、それが出来ない事に気付いた。唇に触れたこの熱を、私は知らない、
「っ石井、さん…？」
「……顔、赤」
一瞬のこと過ぎて、思考がついて行かない。分かるのは石井さんの顔が近くにあることと、ふ、と笑う表情が見たことないくらい格好良いってことと、それから……
「私のこと、好きだからしてくれたんですか」
「…キスってそういうもんやろ」
end.
下書きに残したままだったisiさんのお話でした。例のネタ、めちゃくちゃ好きです。
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あず(プロフ) - りほさん» りほ様、コメントありがとうございます！申し訳ございません、リクエストはsykのみ受け付けております…！skmtさんを書かれている素敵な書き手様は沢山いらっしゃるので、そちらにお願いされると良いかと思います🙇♀️ (3月13日 20時) (
レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
りほ - 可能であればﾏﾕﾘｶ阪本くんお願いします。 (3月13日 19時) (レス) id: 699054d884 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - こっちさん» こっち様、コメントありがとうございます！isiさんの作品を褒めて貰えてとっても嬉しいです🥲🤍片方に偏りがちなのでもう少し頑張って書きますね…！またぜひ読みに来てください〜！ (3月13日 18時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
こっち(プロフ) - はじめまして。たまに書いてくださるisiさんがほんとにステキで毎回キュンキュンしてます✨✨これからも応援してますね🖐️ (3月13日 1時) (レス) @page44 id: c0844398d9 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - まめさん» まめ様、コメントありがとうございます！わ〜〜嬉しいです…！🥲🤍励みになります。もっと刺さるお話が書けるように頑張ります🌟 (2月25日 12時) (レス) @page7 id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月23日 10時
