キスとタイミング＿isi ページ34
×同期
「………何で今なの？」
離れていく唇を目で追いながらぽつ、と呟いた。誠一くんはその大きな瞳で瞬きをしながら、何が？と問い返す。
「だから、…何で今キスしたの、って」
「あかんかった？」
「駄目じゃないけど」
「じゃあえぇやん」
いや、…うん、いいんだけど。キスしてくれるのは普通に嬉しいし。でも、ここ一応楽屋だし。いくら二人きりとはいえ、いつ誰が突然入ってくるかも分からない場所でするなんて、なんかちょっと誠一くんらしくない。
「何かあった？」
「別になんもないけど」
少し、いやかなりぶっきらぼうな言い方が気になる。何も無いって誠一くんは言うけど、絶対何かあったやつだ、これ。彼の機嫌を損ねるようなこと、何かしたっけ……顎に手を当ててうーん、と考えてみるけど特別思い当たるものはない。
「やからなんもないって」
「……にーやんに嫉妬してるとか？」
「俺が嫉妬するような事なんかしたんか」
適当ににーやんの名前を挙げてみると、じろ、と睨まれた。そんなに睨まないでよ、せっかくの可愛い顔が台無しだよ。なんて言えるはずもなく。にーやんの線も消えたし、何だろう、何かしたっけ私……
「…なあ、」
「ん？」
ギシ、とソファの軋む音がする。あれ、…なんかまた、顔近くないですかね誠一さん、
「アイツと何かしたん」
「アイツ、って…？」
わかってて、聞いた私が悪かった。新山、と吐き捨てるように言った後、更に顔が近付いてきたから思わず両目をぎゅっと閉じる。……なのに、いくら待っても何も起きない。何、ってそれはつまり、こんなに顔が近かったらする事なんて一つしかないわけで……そろりと目を開けると、口角を上げて悪い顔した誠一くんの瞳に捕まった。
「……期待した？」
「っ、」
ずるい。ずるいずるいずるい、今の顔めちゃくちゃ好きかもしれない。好きかもじゃない、好き。途端に心臓がうるさくなる。口元がゆるゆるしちゃう。きゅっと下唇を噛んで耐えていたら、続きは帰ってからな。と、とんでもない爆弾が落とされた。
end.
「キスとタイミング」isiさんver。ただ本当にキスがしたかっただけのisiさんと、何かあったのではと疑う夢主のお話でした。
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あず(プロフ) - りほさん» りほ様、コメントありがとうございます！申し訳ございません、リクエストはsykのみ受け付けております…！skmtさんを書かれている素敵な書き手様は沢山いらっしゃるので、そちらにお願いされると良いかと思います🙇♀️ (3月13日 20時) (
レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
りほ - 可能であればﾏﾕﾘｶ阪本くんお願いします。 (3月13日 19時) (レス) id: 699054d884 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - こっちさん» こっち様、コメントありがとうございます！isiさんの作品を褒めて貰えてとっても嬉しいです🥲🤍片方に偏りがちなのでもう少し頑張って書きますね…！またぜひ読みに来てください〜！ (3月13日 18時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
こっち(プロフ) - はじめまして。たまに書いてくださるisiさんがほんとにステキで毎回キュンキュンしてます✨✨これからも応援してますね🖐️ (3月13日 1時) (レス) @page44 id: c0844398d9 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - まめさん» まめ様、コメントありがとうございます！わ〜〜嬉しいです…！🥲🤍励みになります。もっと刺さるお話が書けるように頑張ります🌟 (2月25日 12時) (レス) @page7 id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月23日 10時
