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「探られてるような、…見透かされてるような、そんな視線です。何か落ち着かなくなって、それで苦手だなぁって…」
目が合う度にそうだから、極力新山さんを見ないようにしていた。だから会話をする事も少なかったし、輪の中にも入っていかなかった。そんな感じのことをたどたどしく伝えると、聞き役に徹していた新山さんが口元を掌で覆い隠しながらぽつ、と呟いた。
「…いや、俺はAからめっちゃ視線感じるな、って思ってたんやけど……」
そう言われて、全然意味が分からなかった。私から？つまり私が新山さんを見てた、ってこと？
「睨んでる、とまではいかんけど難しい顔してこっち見るから、俺の事嫌いなんかな、何なんやろなって思ってあの時聞いてん」
「だってそれは新山さんが見てるから、私こそ何なんだろうって思って見ただけで…」
……多分これは、堂々巡りになるだけのような気がする。恐らく新山さんも同じことを思ったのだろう、背凭れに深く背中を預けたまま、そっかぁ…と声に出した。
「…自分も見てるから、目が合うんやな」
新山さんの言葉を聞いて、ようやく理解できた。新山さんが見ている、じゃない。私が新山さんを見ているから、目が合ったんだ。逆も然りで、新山さんが私を見ているから目が合う。つまり私たちは、お互いがお互いを見ていた、ということだ。
「あと正直言うとな、」
チラ、と背後を確認した新山さんが顔を近付けてきた。思わずドキ、としてしまうのは仕方がない。新山さんは、少しだけ言いにくそうにしながら言葉を続ける。
「嫉妬してたと思うねん、…石井に」
え…？と思わず声が漏れた。新山さんを見ると、不貞腐れているような気恥しそうな、そんな見たことの無い顔をしている。嫉妬、ってどうして。だってそれってつまり…
「…流石にそこまで鈍感やないやろ」
「…っ、」
今度はこっちが気恥ずかしくなる番だった。じわりじわりと、顔に熱が集まっていくのが分かる。新山さんを見ると、目が合うなりパッと顔を背けてしまった。私も私で新山さんとは正反対の方に顔を背けると、戻ってきた石井さんが私たちを見るなり「二人して何やってんの」と、至極真っ当なツッコミを入れてくれた。
end.
不穏な始め方をしてしまったので、最後どうなるかひやひやしながら書きました。いつもとはちょっと違うniymさんが書けて楽しかったです。
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あず(プロフ) - りほさん» りほ様、コメントありがとうございます！申し訳ございません、リクエストはsykのみ受け付けております…！skmtさんを書かれている素敵な書き手様は沢山いらっしゃるので、そちらにお願いされると良いかと思います🙇♀️ (3月13日 20時) (
レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
りほ - 可能であればﾏﾕﾘｶ阪本くんお願いします。 (3月13日 19時) (レス) id: 699054d884 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - こっちさん» こっち様、コメントありがとうございます！isiさんの作品を褒めて貰えてとっても嬉しいです🥲🤍片方に偏りがちなのでもう少し頑張って書きますね…！またぜひ読みに来てください〜！ (3月13日 18時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
こっち(プロフ) - はじめまして。たまに書いてくださるisiさんがほんとにステキで毎回キュンキュンしてます✨✨これからも応援してますね🖐️ (3月13日 1時) (レス) @page44 id: c0844398d9 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - まめさん» まめ様、コメントありがとうございます！わ〜〜嬉しいです…！🥲🤍励みになります。もっと刺さるお話が書けるように頑張ります🌟 (2月25日 12時) (レス) @page7 id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず | 作成日時：2024年2月23日 10時
