・ ページ16
.
「……邪魔、」
それはつまり、…そういう事やんな？都合の良い様に解釈するとかしないとかじゃない。それが邪魔ってことは、外してしまったらキスしてもいいって事やろ。なのに、俺が顔を近付けたらまた寸前の所でかわされる。なぁ、もうええってほんまに。
「…っんん……っ」
「散々焦らした罰や、」
顎を掴んで、もう半ば無理やりみたいなもんだった。俺の事を散々焦らしてきた相手を服従させているような、そんな加虐心に煽られる。ぞくり、と背中が震えたのが分かる。それもこれも全部、Aが悪いねん。素直にキスされてたら、こんな事にならんかったのにな。
角度を変えながら、顎から手を離す。もう離しても逃げないだろうと思ったからだ。代わりにその華奢な腰に腕を回して、グッと抱き寄せる。その拍子にAの唇が僅かに開いたのを、俺は逃さなかった。優しくしてやるつもりなんかサラサラない。舌を挿し込んで、奥に潜むAのと絡め合った。執拗に、何度も、何度も。
「……新山、しつこい」
「そういうの好きやろ」
だらしなく唇の端から伝う唾液を拭いながら、Aは吐き捨てるようにそう言った。これ以上やったら、流石にキレるかな。けど、今日はこのまま離す気になれなくて俺の腕は未だにAの腰に回ったままだった。流石におかしいと思ったAが、新山、と俺を呼ぶ。
「新山ってば。…もういいでしょ、離して」
「……離したくない、って言ったらどうする？」
「いや、困るから離して」
……Aはこういう奴やった。さっきまでの雰囲気も何もあったもんやない。余韻っちゅーもんがないんかAには。
「なぁ、Aはなんで俺とこんな事すんの」
「新山上手いから」
「上手かったら誰とでもするん？」
こつ、と額をAに押し当てながら問い掛ける。伏せ目だったAと目が合ったのは、数秒後だった。
「…新山としかしないけど」
そう聞こえて、その後にちゅ、って可愛らしい音まで聞こえたような。多分、キスされた。でもほんの一瞬過ぎて確信がない。今のもう一回して。そう言うけど、Aは知らん顔して視線を逸らす。なんなら早く離せと俺の胸をグイグイ押し始める始末やった。
「なぁ、ほんまにあかんの」
「ほんっとにしつこいよ、新山」
end.
niymさんとただキスしてるだけのお話でした。すみません、完全に趣味です。
今日から恋を始めよう＿isi→←いじわるなごちそう＿niym
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 201人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あず(プロフ) - りほさん» りほ様、コメントありがとうございます！申し訳ございません、リクエストはsykのみ受け付けております…！skmtさんを書かれている素敵な書き手様は沢山いらっしゃるので、そちらにお願いされると良いかと思います🙇♀️ (3月13日 20時) (
レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
りほ - 可能であればﾏﾕﾘｶ阪本くんお願いします。 (3月13日 19時) (レス) id: 699054d884 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - こっちさん» こっち様、コメントありがとうございます！isiさんの作品を褒めて貰えてとっても嬉しいです🥲🤍片方に偏りがちなのでもう少し頑張って書きますね…！またぜひ読みに来てください〜！ (3月13日 18時) (レス) id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
こっち(プロフ) - はじめまして。たまに書いてくださるisiさんがほんとにステキで毎回キュンキュンしてます✨✨これからも応援してますね🖐️ (3月13日 1時) (レス) @page44 id: c0844398d9 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - まめさん» まめ様、コメントありがとうございます！わ〜〜嬉しいです…！🥲🤍励みになります。もっと刺さるお話が書けるように頑張ります🌟 (2月25日 12時) (レス) @page7 id: de1b10e721 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あず | 作成日時：2024年2月23日 10時
