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いない ページ18
喫茶店でいつも通り珈琲を飲んで店員の様子を窺ったが、彼の姿はどこにもなかった。
「徹なら、レポートで忙しいからって今日から一週間くらいシフト入ってないわよ」
「そ、うですか...」
会計を済ませる際に、彼の姉らしき人に話を聞けば暫くここには来ないらしい。
「なによ、アンタ達。連絡先のひとつも交換してないの？徹ってそんなに奥手？あ、もしかして、断ったとか？」
「えっと、いえ！」
けらりと笑う彼女は、及川の笑った姿に似ている。
「あの、タオル、お借りしてて。私、彼の連絡先も居場所もわからなくて、だから、お姉さんの方から返して貰っても良いですか」
血の繋がりを強く感じながら、
ひとつお礼を言って喫茶店を後にした。
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作者名：島ぞうり | 作成日時：2017年5月7日 21時
