夜風 ページ3
しばらく歩いて、
近くの公園まで行き涼しい夜の風に当たっていた。
公園のベンチに座っていると、
月光に当てられて
綺麗な銀の川の様な髪を持つ彼がやって来た。
_____確か、バーに居た異国の人…?
彼もここで夜の風を浴びに来たのだろうか?
そう思っていると、彼は一つ隣のベンチに座った。
互いに沈黙。
見渡す限り辺りを月光が照らし、
風が二つの髪をゆらりと優しく揺らしていた。
その風は、どこか肌寒かったが
酒を飲んで体が暖まった身としては、丁度良いものであった。
再び、冷たい風が辺りを揺らした吹いた後
「…名は?」
と、彼が聞いてきた。
「喰代です。」
「下の名前はなんて言うんだ」
「…A」
「Aか」
髪を揺らしながら、そう彼は言った。
そういえば、
あまり喋らないから日本語がうまく出来ないと思ったけれど
日本語上手なんだなぁ。
声綺麗だし。
そう考えていると、
再び風がふわりと吹き彼の銀の髪を飛ばす。
髪の毛の間から月光が差し、
肌の色が見えた時、草色の瞳と目が合っていた。
吸い込まれそうな草色で綺麗…
自分の思いが溢れてしまって居た事にも気付かず、
見つめていると、
「綺麗か…?テメェにとって、俺の瞳は…」
と座っている彼から問いが来たのだ。
思わず、
「はい、とても綺麗な瞳です!」と口走って言う。
「…そうか」
少し驚いた後、彼はどこか
肌を少しばかり緩め、そう言った。
16人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:がぶぅ | 作成日時:2023年5月10日 22時