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遭遇 ページ2

あれは去年の秋だった。





「秋来ぬと、目にはさやかに見えねども、風の音にぞおどろかれぬる…」




藤原敏行が作った和歌。

秋がやって来た、

と目にははっきりと見えないけれども、

風の音でそれと気付かされた。



それは行きつけのバーでふと、ぽつりとこぼした和歌だった。



すると隣から、「フン…和歌か」


と長髪の男性の声が聞こえてきた。



このバーの常連客は決まって私と、(おそらくではあるが)
異国の地からはるばるとやって来た外国の人達だった。


この時の私は、


___この和歌を知っているのだろうか?

___いや、和歌自体知っている外国の人は滅多にない。


とびっくりしていた。



また、

しばらくして氷のカラン、という音が聞こえる。




もう一口、
そう思ってグラスの中にあるお酒を飲もうとする。


しかし、もうグラスの中は虚しいほど空っぽであった。



あぁ、グラスのお酒が無くなったんだった。

今日は、ここら辺でお暇しようか。



そう思い、会計を済ませバーを出た。

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作者名:がぶぅ | 作成日時:2023年5月10日 22時

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