スーツデイズ[JS] (ページ4)

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「AちゃんはAちゃんのペースで、一つ一つ確実にお仕事覚えていこうね」

私の考えが見え透いてるかのようにホン・ジス先輩に諭されて、一瞬でモヤッとした気持ちは吹っ飛んで行った。

この先こうやって私が不安になっていても先輩なら気づいてくれるんじゃないかなって

まだ先輩とは知り合って1時間くらいなのに信用出来る人なのかもと思えた＿＿

＿＿その後も午前中は基礎的なことを教わり、午後から少しずつ実践していこう、という話になった。

「休憩室とかわかる？人事に説明された？」

『いえ、何も聞いてないです』

「そっか。じゃあ軽く説明するけど、あっちにブースがあったでしょ？そこ一応使っても大丈夫なんだけど早い者勝ちだから、大体こうやって喋ってる間に埋まってるかな

あとは食堂に行く人、このデスクとか空いてる会議室とかで何人かとお弁当とかコンビニご飯とか食べる人の半々って感じだよ〜」

『そうなんですね！ありがとうございます』

「Aちゃんはお弁当とか持ってきてるの？」

『あ、はい…お弁当を持ってきてます』

「ここで食べるの？」

大したものは入ってないからあまり人に…

こんな陽キャイケメンには特に見られたくないんだけど。

かと言ってブースはもう埋まっているだろうし、会議室などはきっと1人になって浮いてしまいそうだし…。
そもそも、入社早々そこに足を踏み入れることが気まずく感じる。

『…ここで食べます。』

「だって〜。じゃあ僕達も今日はここで食べよっか。」

？！

僕達？

「「おっけー」」

ここで食べるというホン・ジス先輩の提案自体にびっくりしていたのもあるけど、誰を含めて僕達と言ってるんだろう、まさか…とは思ったけどそのまさかで。

ユン・ジョンハン先輩とチェ・スンチョル先輩が同意の声をあげていた。

「あ、Aちゃんお弁当温める？よね？給湯室の場所教えるから一緒に行く？」

『あ、いいんですか？』

「ん、僕もお湯。入れないと」

そう言ってカップラーメンを手にしている先輩。

場所を教えてくれるのはありがたいけど完全に一緒に食べる流れなのが少し気まずい。

そもそも同じフロアに若い人がいなさすぎる…これ、友達とか出来るのかな？

「お弁当、自分で作ってるの？」

『あ、はい…一人暮らしなので』

「わぁ、偉いね〜」

そう言って優しく微笑んでくる先輩に胸がとくん、となった。