スーツデイズ[JS] (ページ3)

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「ここからここまでは僕の仕事の書類だから」

そう先輩が指定した範囲はこの大量の書類の9割ほどだった。

あ、なんだ、びっくり…。

初日から残業で家に帰れないのかと思った。

「びっくりした？」

そう悪戯そうに微笑む先輩に思わず顔が熱くなりそうだったけど、ギリギリのところで理性が働いてくれた。

…カッコよすぎるのはもちろんのこと、こちらが考えていたことを全て見透かされていそうな目になんだか吸い込まれてしまいそうだった。

『少し、びっくりしました。笑』

にしてもこの量半端じゃないな…この人ってそんな仕事出来るんだ？

申し訳ないけどチャラチャラした雰囲気を感じるからユン・ジョンハン先輩がこの量をこなすって言われたら納得できるけどどうも胡散臭い…。

「じゃあ、始めようと思うけど。まず、どういう風にこの伝票が経理課に回ってくるか、そもそもどういった請求があるのかとか基礎的なこと理解してもらいたいから、この資料読んでいってもらってもいいかな？」

『わかりました』

渡された資料を読むこと15分

思ったより中身は短かったしとてもわかりやすくて枚数の割にあっという間に読み終えてしまった

「お、読み終わった？」

『はい、終わりました』

「…どう？わかりやすかった？今回ちょっと作ってみたんだけどさ〜」

『え！先輩がこれ作ったんですか？』

「うん、そうだよ？」

しかも私が読んでいる間にさっき先輩が山積みにしていた資料が驚くくらいに減っている…

どういう作業をしていたのかは全く分からないけど何やらすごいのでは…？

「…シュアすごいだろ？実はジョンハンもなかなかやり手なんだけどね。
ここの経理課って本っ当に忙しいはずなのにこの人数で回せてるのって2人がマジで仕事出来るからなんだよ」

私がポカンとしているとチェ・スンチョル先輩がドヤ顔してきた。

「どうしたの？急にそんな褒めてくれるなんて笑
ご飯でも奢ってよ」

「調子乗んな」

チェ・スンチョル先輩はホン・ジス先輩を一蹴するとすぐに自分の仕事に戻っていった。

「まぁ、僕達ってすごいのよ〜ねぇ、ジョンハン〜？」

と、ホン・ジス先輩は褒められたことに謙遜をすることもなく、ユン・ジョンハン先輩に同意を求めた。

「ん〜」

いや、あんたも否定しないんかいっ。

でも、仕事が出来る人と一緒に仕事をするのは安心感もあるけどそれ以上にプレッシャーを感じる。