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Aside
女性は次の試験科目を発表するようだった
？「二次試験後半、あたしのメニューはスシよ！！」
スシ、すし…
あのジャポンの名物のスシ？
父との仕事で一度渡航したことがある。その時に確か…
1人でどんなんだったけ…と思い出していると試験官がアドバイスをくれる
？「ふふん、だいぶ困っているわね。ま、知らないのも無理ないわ。小さな島国の民族料理だからね！ヒントをあげるわ！中を見なさい！」
ちらりとその様子を見ると倉庫の中に大量のキッチンが用意されていた
？「ここで料理を作るのよ！最低限必要な道具と材料は揃えてあるし、スシに不可欠なゴハンはこちらで用意してあげたわ！そして最大のヒント！スシはスシでもニギリズシしか認めないわよ！」
『！』
彼女の言葉で完全に思い出した。魚を使う。
3枚に下ろして1�冂�の薄さにカット。
優しく包むようにコメを握り、ネタの魚を乗せる
間違いない。父がそう教わっていた
？「それじゃスタートよ！あたしが満腹になった時点で試験は終了！その間に何個作ってきてもいいわよ！」
彼女がスタートの合図をきり、受験者たちは一斉に動き出す
米を見て試行錯誤する者、様子見してる者
皆、各自の台の前で唸っている
私は1人で森の中へと進んでいた
…後ろに何人かついて来てる
バレたところで別に損はしないのだけど
無言で魚を狩っていく
獲れる魚は全て淡水魚
確か、スシは海水魚を使うのが一般的だったはず。
しかし彼女はこの森の中で湖と川しかない土地でそれを科目にした
『つまり…』
素人が握るスシの独創性を見るって感じかな
何匹かの魚を持ち帰って調理を始める
ついて来ていた受験者には、大人しく寝ていただいた
会場に戻る
3枚に下ろして、味見をしていく。
一番あの時のスシに似ている魚…
『…！これ』
1匹のみ、味が濃く食感が悪くないモノがあった
周りの受験者は皆、魚を狩りにいった
誰かが気付いたのだろう
一番納得した魚を軽く握ったコメに乗せる。
途中に生えていたミカン科の香辛料を軽く炙り、粉状にする
それをまぶして完成
いつから料理番組を始めたのだろうか
その位自信がある
さっさと審査してもらお
彼女の前に作った料理を持っていき、蓋を開ける
『…どうぞ』
？「どれどれ〜！あんたが挑戦者1号、ね」
蓋を開けると香るスパイス
？「…」
箸を伸ばし、用意されていた醤油に付けて食べる
彼女は嚥下するまで無言だった
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作者名：キノコ | 作成日時：2024年2月1日 23時
