【H×H】泡沫より愛をこめて (ページ31)

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先制ページ31

Aside

いつの間にか白髪君からの視線はなくなっていた

走り出すのと同時に逸れた気がする

その代わりにピエロからの熱い視線

脚の歩みを止めずに彼に尋ねる

いつ攻撃されてもいい様に短剣に手を添えて

『試験官でも無い私を何故攻撃したの？』

？「僕かい？」

『貴方しか居ないでしょう』

？「ん〜特に意味はないかな♣︎」

あのトランプにナイフの様な殺傷力はない

ただ飛んできただけ。

♣︎の11

確か意味は…

『…信頼できる友人』

？「！…僕をその友人にどうだい？❤︎」

『下手なナンパね』

？「手厳しいなぁ〜♦︎」

こんな奴と友人なんて考えたくもない

走る脚に注意が行かなかったのか、ぬかるみに脚を取られる

体勢が崩れ尻餅をつきかける

『！』

？「気をつけなよ❤︎」

『…感謝するわ』

よろけそうになった私の手を引き寄せて、元の体制に戻してくれるピエロ

？「僕も悪い虫じゃないだろう？♣︎」

『どうかしらね、道化師さん』

？「…一歩前進って感じかな」

『？』

よくわからない言葉を残すと、スピードを落として後方に下がってゆく

『中々、めんどくさいわね…』

変な虫に気に入られてしまった様だ

サトツさんを見失って仕舞えば、二次試験会場にたどり着くのは遅くなってしまう

試験内容が不透明なだけ、余り後ろには行きたくない

後方では争いが始まったのか叫び声が聞こえる

ハ「なぁ、クロム。」

『なに？』

ハンゾーは始終を見ていたのか怪訝な顔で聞いてくる

少し息が上がっているのも感じ取れる

ハ「44番、ヒソカと知り合いか？」

『彼、ヒソカって言うのね』

この回答で初対面というのを気づくだろう

ハ「初対面で喧嘩を打ったのかよ！やっぱすげぇな！俺の地域の女でお前みたいなの見た事ねーよ」

『探せばいるわよ』

そこからハンゾーの地域自慢は止まらなかった

私の回答はずっと

『そうなの』

『へぇ』

『すごいわね』

この3パターンだった

ただえさえ、息が上がってるのに話してくる辺りまだ余裕があると見える

まぁ、お陰様でヌメーレ湿原でのマラソンに暇を感じなかったのだけれど

ずっと先頭を走っていると、それらしき建物が見えてくる

サ「皆さんお疲れ様です。無事湿原を抜けました。ここビスカ森林公園が二次試験会場となります」

サトツさんはそう言って立ち去っていった

会場の建物からは歪な音が響いていますが…？？

猛獣狩りとかかしら