【H×H】泡沫より愛をこめて (ページ28)

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Aside

暫くの間、休んでいると空気がピリッとし始めた

『…始まった』

私の正面から直線上に試験官らしき人物は立っていた

試「ではこれよりハンター試験を開始いたします。こちらへどうぞ」

そう言って試験官は歩き始める

パイプから試験官の側に降りる

試「さて一応確認致しますが、ハンター試験は大変厳しいものもあり、運が悪かったり実力が乏しかったりすると怪我をしたり死んだりします。先程のように受験生同士の争いで再起不能になる場合もございます。それでも構わないという方のみついてきてください。」

何か揉め事があったのだろうか

ま、知らないけど

受験生は誰一人として背中を見せるものは居なかった

試「承知しました。第一次試験404名全員参加ですね」

へぇ、404人も居るんだ

例年よりちょっと多いって感じかな

試験官はツカツカと歩き始めている

『…！』

少しずつだが、歩幅と蹴り上げる力が強くなっている

近くにいた試験官との距離が離れ始める

『なる、ほどねっ。』

差し詰め、持久力審査ってとこ

こんな感じなんだ

そう思いながら、足はスキップのように弾む

何百キロでも付き合うわよ

サ「申し遅れましたが、私、一次試験担当官のサトツと申します。これより皆様を二次試験会場へ案内いたします。」

私の真横にいたスキンヘッドの受験者が問いかける

「二次…？ってことは一次は？」

『もう始まってるわよ？』

「え？」

サ「二次試験会場まで、私についてくること。これが一次試験でございます。場所や到着時刻はお答えできません。ただ、私についてきていただきます」

ほら言ったでしょの意味を込めて一文字だけ発する

『ね？』

「すげーなあんた。理解力がよ」

『きちんと話を聞けば分かる事よ』

ハ「ふーん。俺はハンゾー。よろしくな」

『…私はクロムよ。よろしくね』

もちろん話をしていても歩は止めない

このハンゾーという男は中々の強者

と、見て間違い無い

歩く時の音、呼吸音から乱れが見れない

少なくとも、人を殺して楽しんではいないだろう

挨拶程度に言葉を交わし終えると、サトツさんの側まで戻るためにスピードを上げる

『私はクロム、クロム…、フォードとしておきましょう』

今のように名前を聞かれて、仲良くなるなんて望んではいない

その為の偽名

サ「？」

『…あ、いえ。お気になさらず』

ニコと笑う

一次試験開始ーーーーー