【H×H】泡沫より愛をこめて (ページ22)

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Aside

当主の引き継ぎ作業から、顧客の挨拶回りなどをして2ヶ月が経った

久しぶりに依頼された暗殺の仕事を終え、従者の迎えの車で屋敷に帰っている時だった

木が燃える音

そこに混じる微かな血の香り

『ねぇ、スピード出せる？』

従「この角を曲がれば私有地なので、出せます。」

『できる限り急いで』

従「はっ。」

体が後ろに取られるくらいアクセルを踏み込んだ

何故か嫌な予感がする

2ヶ月前、皆が私に忠誠を誓ってくれた日から私も主人としてより良くしていこうと誓った。

訓練という名目で毒、電気、熱などの拷|問を受ける時間や仕事、性○処理以外では父との接点はない

むしろ、彼女らや彼らと過ごす時間のほうが長かった。

だからこそ、何も起きないでほしい。

やっと家族と思える人達ができそうなんだから

木が燃えるのは山火事で、血の匂いは勘違いだとそう思いたかった

現実は甘くない

何故なら、彼女ら彼らは守る術が少なかった。

屋敷は荒らされ

息がある者は少なく、

金目のものは全て奪われていた。

従「そんな…」

『…』

まだ息のある者のそばに行き、水を飲ませた

このメイドは最年少ながらも頑張っていた子だ。

歳が近くてよく話していた。

『何があった？』

メ「…蜘蛛の8番…が急に…」

蜘蛛と言われ、思い当たるのは一つしかない

幻影旅団

『そう。立てる？』

メ「はい…」

見たところ殺されているのは気性の粗めな男達が反撃によって亡くなっているようだった

『ルイ、よね？息のあるものを別邸に運んで、できる限りの治療をして』

このメイドはルイ。一度だけ名前を聞いた。

ル「はい！」

私を送ってくれたのはカリナ。

『カリナ！ぼーっとしてないで助けるの！』

カ「は、はい！！」

『私はそいつを追うわ。すぐに連絡する。待ってて』

ル「お嬢様！！危険です！！」

安否の確認を行なっていたルイは私の腕を掴む

『私を誰だと思ってるの？』

この言葉で反論できなくなったのか手を離してくれる

『落ち着いたらパーティーでもしましょ？私の就任祝いがまだじゃない』

ル「……はい！」

蜘蛛の8番

どこの誰かわかんないけど、許さない