【H×H】泡沫より愛をこめて (ページ20)

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解放ページ20

Aside
『やった…やっとよ……』

喜びのあまり、腰を落としてしまう

願いは叶えたよ

いるはずもない彼女に伝えたかった

自分の肩を持ち、抱きしめる様にして涙流していた

5年もあれば身も心も染まっている

エクリプス令嬢としての役目は終えた

いつまで経っても父の血の海で泣くわけにいかない

『…リサ、エクリプス家の使用人の雇用契約書を持ってきて』

リ「…！？か、かしこまりました。」

私付きのメイドのリサは駆け足で、書類を取りに行った

部屋に残った使用人たちに声をかけて、処理をする

『ごめんなさい、仕事を増やしてしまって。これ、片付けてくれる？』

使用人「「…は、はい！」」

終わり次第、大広間まで来るように言ってから、ある準備をする

『さて、これから忙しくなるわよ』

意気揚々と部屋を出て、普段着ているワンピースに着替える

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大広間

『先程、頭領から後任を私に任せると言って命を絶ちました。よって私はこの家の頭領になります。』

使用人たちは私の言葉を、聞いている

普段話さない人も庭師まで

『貴方たちがどう言う身分で生きてきたか私は知っています。2度とあの場所には戻りたくないはずです』

彼らは元奴|隷や訳ありな人々

『私は、あなた方に自由を与えます。望みとあれば家も生活費も差し上げましょう。自由を求める人はここに記名を。私と共に生きる方は残ってください。また1時間後にきます。』

主人がいては話しにくい部分もあるだろう

彼らには彼らなりの夢があって、野望がある

こんな家に縛り付けておくなんて可哀想だ

外の風を浴びながら、時間が経つのを待つ

夜の空と白く輝く月を見て、ある人物が思い浮かぶ

『元気かなぁ、今9歳になるのかなぁ…会いたいなぁ…』

元気に駆け回る彼の姿を思い出して、口角が上がったのを感じた

あっという間に時間は経ち、大広間に戻る

エクリプス家の使用人は約50名

加盟したのは25名

予想よりも多く残っている事に驚くが続けよう

『よし！悪い事じゃないから、気負わないでね。迎車を用意するわ。明日の夜までに身支度を済ませてね』

サインをした25名に手を振り、『お休み』と声をかける

残った25名

割と見慣れた顔が幾多かあった

まずは、と

『何故残った？修羅の道を行く事になる』

大きな家なだけ、世代交代し反感も多いだろう

耐えられるだろうか