私の天使 (ページ48)

今日:16 hit、昨日:4 hit、合計:40,588 hit

病院ページ48

気づけば知らない天井が見えて、
横を向くとクリーム色のカーテン

腕が動きにくいので
そちらに目をやると
点滴の管

『・・・え、病院？』

「気づいた？大丈夫ー？」

泉先輩が顔を覗いてきた

「さっきまで藤井先生いらしたんやけど
　打ち上げの方も行かなアカンしってことでさっき出はったわ」

『泉先輩・・・ここ、どこですか？』

泉「今自分で言うてたやん、病院って(笑)」

演奏終了後、私は倒れたみたい

救急車で運ばれて

現在に至る

・・・らしい

気分どうやー？って心配そうな顔して聞いてくれる先輩

『すみません!!!ご迷惑をおかけして・・・！！！』

がばっと起き上がろうとしたけど、
フラついて力が入らない

泉「起きたあかんって！しばらく安静にしとき。
　点滴終わったら帰っていいみたいやから、
　それまで横になってな」

倒れた原因は過労らしいけど

泉「中1で過労って・・・
　本番緊張しただけじゃないやろ？」

『・・・・』

泉「私じゃ頼りないかもやけど相談聞くからさぁ」

『・・・すみません』

「ためこみすぎなんやって」

まぁ本番終わって気が抜けたんやろうけどって

『・・・先輩、私、ホルンが吹きたいんです』

「うん」

『・・・・』

泉「影でなんか言われてんの？」

『・・・』
　

しばらく沈黙になり、

泉先輩がゆっくり話し始める

「私、高校はI高校に行きたいねん。」

『I高・・・音楽科ですか？』

泉「そう。やっぱり音楽の勉強したいねんなぁ。
　吹奏楽部に入って高校でもコンクールで全国大会行きたい。
　それに、まだ誰にも言ってないけど、
　将来は音楽関係の仕事がしたいねん。」

ずっと私が夢見てきたこと

泉先輩も同じ・・・夢

泉「今の部活は200人以上も部員がおって
　思うようにいかへんことばっかりで。
　でも夢はあきらめたくないし、
　自分がうまくなれば文句言われへんって
　そう言い聞かせて毎日練習してるねん。」

やから、Aも心折れずにがんばれって

『私もっ・・・！！
　あの、音楽の仕事がしたくて。
　音大に入ることが夢で、泉先輩と一緒なんです』

興奮気味に言ったら
そっか。ってにっこり微笑んでくれる

同じ目標の人が先輩で、私の前を進んでて
やっぱりかっこいいなって思える人

泉「一緒に夢、叶えよな」

『はいっ！！！！』