私の天使 (ページ41)

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本番ページ41

ついに本番当日

知り合いは誰もこないから、ちょっとだけ寂しいけど

お母さんも仕事やのに早く起きてお弁当作ってくれたし

がんばるぞ

初めてホールでの本番

1年生は全員、右も左もわからないことだらけで
朝から先生や先輩に怒鳴られっぱなしやし、休憩もままならないくらいバタバタで
いつもよりずっと朝早く集まったのに、あっという間に開演の時間になった

既に疲れ果ててるけど
本番はここから

舞台袖でホルンパートで円陣を組み、泉先輩が士気をとる

泉「2年生は最後、1年生は初のホールでの演奏で
　それぞれの思いと緊張があると思うけど
　第一に考えることは、先生がいつも言ってる通り！
　いい音楽をお客さんに届けること！」

全員「「はいっ」」

泉「それから・・・
　今回の、特にメイン曲のパート割、異例やと思うけど
　 Aもよくがんばって付いてきてくれたし、
　それ以外のメンバーも自分のことだけじゃなくて
　いっぱいアドバイスしてくれて・・・
　こういうのをチームワークって言うんやろうなって強く思った。」

全員「・・・」

泉「いい演奏会になるって私は信じてるし、みんなでいい音楽がしたい」

全員がじっと泉先輩を見つめる

泉「乗ってるメンバーも乗ってないメンバーも
　心をひとつに、いい音楽をしよう」
　
全員「「はいっ！！」」

市民ホールのキャパは約1500人やけど、
満席で立ち見が出てた

すごい人の数に圧倒されそうで

やばい・・・思ってた以上に緊張してる

前半、私の出番は2曲で、いつもしないミスをしたり、
緊張のあまり唇が全然震えなくって音を外してしまったり、
撃沈やった

ホールでの演奏で舞い上がってしまってるのかな・・・

休憩を挟んで2部が始まる

1部はクリスマスソングやPOPS系の曲、
2部はクラシカルな曲で構成されている

2部はメインの曲を含めて3曲で
私と泉先輩はメインの曲とアンコール曲のみ

舞台袖で出番を待っていると

泉「(コソッ)ほんまA、急成長したよな～」

『・・・ありがとうございます。
　でも今日はミスしてばっかりで・・・』

先輩はにっこり笑って

泉「初ホールでミスなしで完璧に吹くサイボーグなんておらんよ」

私の頭をぽんぽんして

「次ミスしーひんようにがんばろうな。
　まだチャンスあるねんから」