私の天使 (ページ5)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:40,574 hit

・ページ5

ヤンキーは少し間を空けて私の隣にドカっと腰をかけた

『・・・・』

居座る気かな

だって急にヤンキーに話しかけられても、どうしたらいいかわからんし

あと今それどころじゃないし・・・

しばらくそのまま時が流れた

どれくらい経ったかな

涙も止まってきて
あいかわらず顔はぐちゃぐちゃやけど
三角座りの両膝に顎を置いて
暗い川を眺めた

居るのか居ないのかわからないくらい静かなお隣さん

チラッと見ると

両手を後ろについて足を組んで同じく川を眺めてる

なんでそこにいるのかもよくわからないけど

ただ、沈黙が苦痛ではなかった

「・・・あのさぁ、」

川を眺めたまま急にヤンキーが話しだす

「何があったかわからんけど、
　俺もいろいろ言われること多くって、
　最近ちょっと悩んでてんけど」

『・・・・・』

なんか急に怒り口調で話しだすから

どきって胸が締め付けられる

“そんなもんで心折れるな”
“もっとしんどい思いしてるヤツいっぱいおる”
“甘ったれんな・・・”

そう言われるのかな

これ以上言われると私の心が・・・

また目に涙が溜まる

すると

「女の子にそういうこと言うたらアカンと思うわぁ～」

気の抜けるような、でも優しい声でそう言ってくれた

『・・・？？？』

「女の子にキモイて・・・信じられへんわぁ」

眉間にしわを寄せてこちらを見てる

『・・・へ？』

「そいつ女？」

『は、い・・・。でも、私が先輩の楽器の上に
　ペンを落としてしまって、それで・・』

「傷いったとか？！」

『と先輩はおっしゃってました・・・』

「で、それでなんでキモいって言われなアカンの？」

『・・・・グスッ』

「あぁ～！！！ごめんっ！！！
　別に泣かすつもりないんやけど～(汗)」

ヤンキーが慌ててる・・

『・・・こ、公園に、呼びだされ・・てグスッ』

「・・・」

『私、ぶ部活で・・きら、嫌われてて・・
　あ、部活だけ・・じゃないんやけど・・・
　クラスでも友達・・い、いーひん、んし・・グスッ』

また涙が止まらなくなってしまったと同時に
いろんな思いを吐きだしてしまった

『何やっても・・す、すぐ怒られるし・・・いっつも白い目で・・・見られてて・・
　今日は・・ずっと・・・ずっと・・・その、辞めろって・・・言われ続けて』

それでも眉間にしわを寄せながらじっと話を聞いてくれてるヤンキー

「・・・・・」