私の天使 (ページ35)

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「～♪」

鼻歌とともにギターの音色が聞こえてきて、

♪笑ってるきみの隣にぼくはいたくて
　楽しそうなその横顔ずっと見ていたくて
　やわらかな空気が運ぶこの時間が
　永遠に続けなんて願わないから
　せめてあと少し、もう少しだけ

聞いたことのない曲やけど

いい声・・・

てか、うまっ

『いい曲・・・』

思わず振り返ってしまう

「ほんま？よかった♪」

『誰の曲？私、流行ものうとくって・・・』

「ふふっ♪錦戸亮ってひとー♪」

『え？にしき？』

「亮やで(笑)こないだあったやろ？！」

『え？！？！あの亮くん？！曲作れるの？
　っていうか安田くんギター弾けるの？！』

まぁ、と言ってテレながら笑う

『すごいすごい!!!ていうか、めっちゃいい声!!!』

さっきまで泣き顔さらしてたことも忘れて
喜んでいると

「・・・やっと笑ってくれた」

ちょっと困った顔をしながら親指で涙を拭いてくれる

「これな、Aのこと考えながら作ってんて」

亮くん、初の作曲で
「その名も”元気が出るSONG”や！！！」
ってドヤ顔

「まだ、サビしかできてないけど」

今日元気なさそうにしてたらこれ弾いたってーって亮くんが

『元気でた・・・』

「作戦成功や♪」

首をかしげて言ってくるから
もはやかわいすぎて嫉妬しそう

『コード教えて！ホルンで伴奏するし！』

そういってホルンをいそいそとケースから出して
音を確認する

ギターのフチをたたきながら
「ワン、ツー、スリー・・・」

アコギとホルンのへんてこなアンサンブル(笑)

ギターに合わせて
コードごとに音を伸ばすだけのシンプルな伴奏

10小節くらいやからあっという間やけど

楽しい♪

「おぉ！！！めっちゃいいやん!!!」

『うんっ！気持ちいいー♪』

「音楽ってこういうもんやんなぁ～」

いつもののんびりとした口調

「楽しい気持ちがないと、いい音楽って生まれてこーへんと思うねん。
　強要されてやるもんでもないし、縛りつけられるもんでもない」

『うん・・・そうかも』
「でも、うまく演奏するには技術が必要やから
　練習はしなアカンけどなぁ？」

俺もギター必死で練習中や！って

安田くんの考え方、とっても素敵