私の天使 (ページ4)

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今日は土曜日

毎週土曜は練習が夕方の17：00までなので、
部活後、楽器を持って近くの川沿いで練習をするのが私の習慣

1週間で一番の楽しみ

・・・でも今日はただ辛くって、泣きたくって
どうしたらいいかわからなくて楽器も持たずにフラフラと川へ向かった

いつも練習している石畳のベンチに腰をかけ、深めの深呼吸をしてみた

冬の18：00はもう真っ暗で、見渡す限り誰もいない

自然と涙が頬を伝って、最初は遠慮がちに泣いていたけど、
気付けば嗚咽するくらいわんわん泣いていた

先輩の楽器を傷つけてしまうなんてとんでもない事をしてしまった

最初はそう思って落ち込んでいたけど

キモイって誰かに言われるなんて初めてやし
心にささったトゲが痛い

明日からどうしたらいいんやろう

『・・・辞めたいな』

あ、初めて口に出したかも

『部活行きたくない・・・』

ただただ涙があふれてくるから

下を向いてハンカチで抑えた

すると、

「――どうしたん？」

うしろから突然声をかけられ、思わずビクっと肩が上がる

ハンカチで鼻と口を抑え、ヒックヒック言いながら振り返ると、
同い年ぐらいの男の子が眉を八の字にしてこちらを見ている

グレーのスウェット上下に黒のダウンジャケット
ごっつい紺色のマフラーをぐるぐる首に巻いてて
顔が半分くらいしか見えてないけど

パッチリとした二重、ちょっと癖毛の茶髪が外灯に照らされて
少し見とれてしまった

髪の色が明るい

ヤンキーか・・な？

「―――なんで泣いてんの？」

『え、、、？』

マフラーを下に下げて口元が見える。

あ、、、かっこいい

けど

すごく悲しそうな顔

「めっちゃ泣いてるやん。、、、どうしたん？」

『あの・・・キモイって言われて・・・』

すごく素直に答えた

「はぁ？！だれにぃ？！」

かなり強めに言われて、またビクッとなる

いや、というか、・・・あなたが誰？(笑)

『せ、先輩に・・・』

「吹奏楽部のぉ？！？！」

？？？

なんか怒ってる

それよりなんで吹奏楽部って知ってんの？
え、まさか・・・知ってる人？

OBとか・・・!!!

『あの、すみません・・・どちらさまですか？』

「あー、、、俺、北中ねんけど・・・って、知らんよな(笑)」

え・・・知らんけど？
よかった、、OBとかじゃないんや

『すみません、・・・あの私は山田Aと申します。南中です』

「、、、おん」

結局名乗ってくれへん

そして、

沈黙・・・