私の天使 (ページ29)

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おかあさん以外に私のこと気にかけてくれる人がいるって
嬉しいなぁ

じ～んってして、また涙がこぼれる

「痛かった？！」

『ふぇ～ん』

「なにその泣きかた(笑)」

その瞬間、ほっぺたをつまんでた両手が背中にまわり
ゆっくり抱き寄せられた

一瞬何が起こったかわからなくって
頭が真っ白

信じられない速さで進む鼓動は私のなのか、
安田くんなのか

抱きしめられるなんてもちろん初めてで
なにをどうしたらいいのかわからなくって
完全に固まって、涙が止まった

次第に安田くんの匂いにつつまれて
幸せな気持ちがこみ上げてきた

やっぱりこの匂い、ほんますごい好き・・・

もうしばらくこのままでいたいなぁ～
って思ってたら

「よし！かえろ」

あたしの背中をポンポンとたたいて離れる

一瞬、その手を掴みかけたけど

・・・そんな度胸はなかった

「送ったるわ」

といって私の自転車に跨り、うしろの荷台をポンポンとたたいて
座るよう指示する

『アカンよ？2人乗りは。部則で禁止されてるし。』

章「ぶはっ！マジメか。こんな暗いのに誰が見てんねん！」

はよ乗れやって言ってくるから

これやからヤンキーは・・・
と言いながらホルンを背負ってまたがると

「誰がヤンキーやぁっ！」

『え、ヤンキーじゃないの？！』

「普通にびっくりな反応せんとって(笑)
　こんないたいけな少年つかまえて」

納得はできひんけど、
・・・本人曰くヤンキーじゃなかったみたい(笑)

『私、2人乗り初めて・・・』

「きゃー！！！ゆみちゃんの初めて?」

『え？』

口の前で両手でグーを作って振り返る安田くんの仕草は女の子以上にかわいくって
何を言ってるのか意味がわからんかったけど、なんかきゅんっとしてる自分がいた

「・・・意味わかってへんのかーい」

『なにが？？』

「もうええわ！ほら、そんなとこに手置いてたらおっこちるで～」

サドルの下辺りの荷台を握ってる私の両手首を掴んで
自分のお腹にまわす

さっきのかわいい安子ちゃんから
一気にオトコって思わせる雄田くん

華奢やけどお腹の筋肉はしっかりついてて
ふり幅激しすぎて脳内パンク状態

て、ゆうか、近い・・・!!!

背中にほっぺが付くくらい前にひっぱられて
安田くんの匂いをダイレクトに吸い込む

・・・ほんまめまいしそう