私の天使 (ページ2)

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「ちょっと、何してるん？！」
声の方を向くと、浦川先輩やった

浦川先輩は部内イチ恐い先輩で、しょっちゅう怒られるし、廊下で挨拶しても無視される

『す、すみません！！！
　浦川先輩のフルートの上に
ボ、ボールペンを落としてしまいました・・。』

浦「・・・・は？」

どんどん眉間にしわが寄ってくる

『申し訳ありません・・・!!!』

私を睨みながらフルートを持ち上げ、
じっと当たった部分を見てる

浦「うわー、最悪。傷いってる」

『も、申し訳ありません！申し訳ありません！』

「「なになにどうしたん？」」

先輩たちが集まってフルートを見る

顔がニヤついていて、なんだかおもしろがってるみたい

先輩1「マジで最悪やーん。傷いってるしー」
先輩2「リサのフルート自前やんな？
高いんと違った？」

・・・どうしよう。修理代、いくらするんやろ

浦「山田さん、部活終わってから校門で待ってて」

『は・・・はい。申し訳ありません』

ただひたすら、あやまることしかできなかった

いつも一緒に帰る幼馴染の柴田ヒロコは
幼稚園からずっと仲が良くて

私の唯一の友達

「ヒロコ・・・ごめん。先帰っといて？」
と目に涙をためながら伝える

ヒロ「え・・・うん。でもどうしたん？」

『・・・あの、また詳しく話すんやけど、その、浦川先輩に呼び出されてて・・・』

ヒロ「・・・え、うそ？Aちゃんが？何があったん？」

『ごめんな。先帰ってて』

ヒロ「・・・」

学校から少し離れたところに小さな公園があり、人通りが少ない

浦川先輩と他の先輩4人が腕組をして
私を半円で囲むように睨みつけている

足が震えて仕方ない

先輩1「あのさぁ、先輩の楽器の上に物落とすとか。
なめてる証拠やんなぁ？」

『そ、そんな・・・こと・・・あ、ありません。
もうしわけ・・・・ありませんでした』

怖すぎて震えが止まらなくてうまく話せない

必死に搾り出して声にする

浦「・・・ふっ」

『・・・』

浦「山田さんさぁ、」

『は、はい・・』