私の天使 (ページ1)

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中学1年生　冬ページ1

天使が舞い降りたのは、なんでもない普通の平日

暦上、なんでもない普通の平日

でも

この日、私は中学生ながらお先真っ暗で
絶望の淵に立たされた気分で、暗い川沿いで号泣してた

「――どうしたん？」

手を差し伸べてくれたのは
誰がなんと言おうと天使で

私を、導いてくれた

・・・天使に恋したからバチがあたったんかな

でも、絶対に“出会わんかったらよかった”なんて思えへん

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私の通う中学校は、関西の平凡な田舎の公立中学校

・・・にも関わらず
所属している吹奏楽部は全国大会の常連校

小学生の頃から憧れていて、念願の入部だったけど
先輩も先生もめちゃくちゃ厳しく、
毎日が辛い・・・

80人近くいた同級生が気つけば何十人も辞めてた

友達を作るのは苦手で、誰が辞めたとか全然気づいてなかったけど

楽器を決めるとき、先生に“ホルン”を勧められた

本当はサックスとかフルートがしたかったけど、
不思議な形をしたそれは生で見るのは初めてで、

とても魅力的だった
直感的にホルンがいいって思えた

とは言っても難しいし、思い通りに吹けんし、
それでも悔しいからがんばってがんばって練習して・・・

あっと言う間にときは過ぎ、12月

毎年恒例のクリスマスコンサートの練習真っ只中

だんだんと怒られることも少なくなり、褒められることのが増えてきたし、
合奏に出させてもらって、人とあわせる楽しさを知り、ホルンが好きになってきた

そんな中、ある小さな事件が起こった

合奏部屋は狭く、人がたくさんいるから
かなり気をつけて歩かないと楽器にぶつかってしまったりする

ドンッ
「あ、ごめん」
椅子に座ろうとした瞬間、後ろを通ったトロンボーンの先輩が
ぶつかっていった

前によろけた私のシャツの胸ポケットからボールペンが落ちてしまい、
椅子に置いてあったフルートに命中してしまった

コンッ

『・・・！！！！』

これ・・・浦川先輩のフルート・・・？