Dear My everything 4 Destiny～Donghae～ (ページ30)

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本当の家族になろう～DH～ページ30

「A、あのさ、もう少ししたら、外泊出来るんだって。
でも俺、またツアーで今度は中国行かなきゃいけなくて…
番組収録とかもあって、一緒にいてやれそうにないんだ」

「いいよ、そんなの…別に外泊とかしなくても、ここでいるから」

「うん…でさ、もし、よかったら…なんだけど…」

「ん？」

「俺んちに行かない？実家…」

「え…？」

明らかに不安そうなA。

「オンマがね、Aに会いたいって…外泊出来るって言ったら
ぜひきて欲しいって…」

「オンマが…？」

「うん、どうかな？」

「どうもこうも…」

「オンマ、Aにすまないって言ってたんだ。
あんなこと言うべきじゃなかったって…」

「え…？」

「実はね、あの時ああ言ったのは他に理由があって…

ご両親が亡くなった時、日本に返した方がいいんじゃないかって話が
出てたことがあっただろ？
でもAが帰りたくないって言ってたし、俺たちもAを帰したくなくて…

俺は練習生になったばかりで、この先どうなるかわかんないし、
大事な娘さんを預かってるって思ってたオンマは、
お前には普通に幸せになって欲しいと思っての事だったらしいんだ。

でも、結果的にAに辛い思いをさせてしまったって…
だから罪滅ぼしがしたいって…オンマの贖罪、受けてやってよ」

「そんな！贖罪だなんて！わたしの方が謝りたいくらいなのに…」

「また…Aは悪くないだろ？
俺のこと好きになったこと、悪いって思ってるの？」

「ううん、そうじゃないけど…」

「だったら…」

「うん…」

数日後、オンマが初めてAの病室を訪ねた。

オンマがAを抱きしめると、Aは子供みたいに声を上げて泣いた。

「ごめんなさい…オンマ…ごめ…」

「A…ごめんね…今まで辛い思いさせて…」

そんな二人を見てたらこっちまで泣けてきた。

いつか完治して、本当の家族に、きっとなろう。
俺は二人をそっと、抱きしめた。

そして俺はオンマにAを頼んで中国ツアーに出発した。
帰って来たら、2度目の抗がん剤治療が待っている。

次の治療は辛くないようにと、俺は毎日祈った。