【そらる】どうか、俺を欲しがって２

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それからは出張の準備や、それまでに終わらせなければいけない修正などに追われて、彼方さんとはろくに連絡が取れないまま、日本を発って。


「早く終わらせて、今回こそなるべく寝ましょう！」

市場が夜から朝方までやっていたり、回るところがたくさんある出張はいつもほとんど眠れなくて、一緒に行くMDのななこさんも朝から憂鬱そうだったけれど。





「この生地もかわいい！」

いざ着いて市場をまわり可愛いものを見つけると楽しくて。


これで何を作ろうか、これも使えそう！なんて思っていたら、毎日すぐ朝になっていて、また大して眠れなかったけれど充実感はあった。





「終わったね。やり切ったーっ！」

帰りの空港で、ななこさんとフライトまでの時間お茶をしていると、



(お疲れ様。空港、迎えに行く。)


「え！」


「どうしたの？嬉しそうな顔して。」

「あ、いや、彼が空港まで迎えに来るって。」

なんと言ったらいいのか分からず、彼、と言ってみたもののなんだか恥ずかしい。



(え！いいんですか、遠いですよ！)


「Aさん、やっぱり彼氏いるの！優しい彼で羨ましい！」

「ほんとに、私には勿体無い位です。」

と話していると、


(会いたいから行く。電車でごめん！)

電車でごめん、なんて言葉が彼方さんらしくて笑ってしまったけれど。



早く、会いたいな。






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