声を奏でて、君を、 丸井ブン太 ページ34
遠のいて行く彼の背中に
私のこの手が届くことはあるのだろうか。
Dear You
・・・・・・・・・・・・・
12月24日。
「あ、丸井。外、雪が降ってるよ」
「・・・・・」
君に、私の声はとどいていますか?
ベッドに寝たまま、丸井はただ天井を見上げ
瞬きをするだけ。
意識はあるけれど、
所謂、植物状態に近いものだった。
「ごめん、丸井とイルミネーション見に行きたかったな。ごめんね」
「・・・・」
彼がこうなったのは私のせい。
轢かれそうになった私を庇って、
丸井が轢かれた。
数か月前までは、そんなのマンガやドラマだけの話だと思ってた。
だけど、そのまさか。
現実は残酷だ。
それから毎日、私はこうして丸井に話し掛ける。
「ケーキ食べる?買ってこようか」
「…」
「丸井、好きだもんね。あ、ガムあるよ?」
「…」
あんなに輝いていた彼の目が、
今はもう絶望に満ちている。
丸井と代わってあげたい。
だけど、丸井は丸井。
私は私。
代わることなんか当然できなくて。
「遅いから、今日はもう帰るね。また明日、」
また明日、ちゃんと生きててね。
病室のドアを静かに閉めて、歩き出す。
*
12月25日。
「丸井ー」
「…」
「寒いね、冬は嫌いだよ」
「…」
ほんとは、丸井に抱きしめてもらいたい。
ほんとは、丸井とキスしたい。
だけど、そんな資格、私にはないから。
「丸井…ごめん。ごめんね…!」
そう思えば、自然と涙は溢れ出す。
「……」
「丸井、私、どうすればいいかわかんないや…」
「…ぃ…」
私の頬に丸井の左手が伸びてきて、涙を弱弱しく拭う。
「丸井・・・?」
「なか・・・ぃ・・・で?」
『泣かないで』。
彼は確かにそういった。
今まで、喋ることも動くこともできなかった丸井が。
「丸井・・・」
「……」
「私、ずっと丸井の隣にいていい?」
彼は少しはにかんで、小さく頷いた。
「ありがとう、」
「……」
「メリークリスマス。」
・・・・・・・・
ちゃんと、届いた。
君はいつでも私の中にいた。
Fin.
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革ベルト
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トート(プロフ) - 法ｓ＞財前のが凄くおもしろい（？）と言うか悲しくなりました！！頑張ってください (2011年12月1日 15時) (
レス) id: f32f4dbbf6 (このIDを非表示/違反報告)
那留(プロフ) - 投稿頑張ってくださいww (2011年10月23日 23時) (レス) id: 829e340f6f (このIDを非表示/違反報告)
深紅(プロフ) - ｨﾔｯﾌｩｩｩｩｩｩｩｩｩ!!財前可愛いぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!ありがとうございますｗｗ (2011年10月9日 10時) (レス) id: f48884563d (このIDを非表示/違反報告)
彩御前 - リクで、若の嫉妬系お願いします。ファイトです！ (2011年10月8日 18時) (レス) id: c3f5b2ce61 (このIDを非表示/違反報告)
那城 - リクで向日岳人でお願いします内容は任せます (2011年10月4日 19時) (レス) id: a75482566d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：法 | 作成日時：2011年7月16日 16時
