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霊安室から部屋まで、部屋から霊安室までの走る短い時間で感じた事を整理した


中也がモノに変わった事が、とてつもなく恐かった


人の死体は何百と見てきた筈なのに、恐怖を感じたのは初めての事だった




__何故?




わからない


もう考えるのは終わり


霊安室に辿り着くと、持ってきたメスと瓶を、寝台の上に置く




「A君、何をしているんだ」



「中也を、生き返らせます…」




手の甲を切り、血を瓶に入れる。そして、中也の心臓に凡て垂らす


皮などを元に戻し、心臓の位置に耳を当てた




__どくんっ、どくんっ…




「善かった…」




中也が生き返って安心感に、その場に座り込む




「A、それは…」


「私の異能力です」


「死んだ人間を生き返らせる?」




森さんの質問に付け足す




「異能者の場合、瓶一杯の血を飲めば、その人の異能力が使えるようになります」




森さんは顎に手を当て、考える素振りを見せた後、メスと瓶を貸してくれと云った。断る理由がなく、貸す事にする


私と同じように安心した姐さんは、涙を流していた




「Aがその異能を発動している間、私が触っていたら中也は生き返らなかったのかあ、残念」




そう云う太宰も、数分前の表情や声色から一変、何時もの太宰に戻った




「ところで、飲めと云うのですか」


「殺しの際、異能者が相手じゃ難しい所もあるだろう。君にとって不都合はない筈だ」




森さんから瓶を受け取り、一気に飲み干す




「げほっ…」




__鉄の味




「中也君を医務室に運ぼう」




__あ、拙い




「A!?」

九→←七



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作者名:MIA | 作成日時:2017年8月5日 20時

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