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午後、手当して貰うと、私は姐さんに連れられ、三渓園にやって来た




「いい景色じゃろう?」


「そうですね」



「お気に入りの場所じゃ」




上品に笑う彼女に、私も笑みを浮かべる




「中也とは、やっていけそうか?」


「不思議です」


「ん?」


「今日会ったばかりなのに…」




お兄ちゃんの様な安心感に近くて遠い、この不思議な感情に合う言葉を探す




「ふふ、一目惚れかのう」



「ひとめぼれ…?」


「殺し屋といえど、そなたも女子じゃな」




__女子?




「姐さんは?」


「私か?私の想い人は、首領に殺されてしまってのう」


「何故、此処に残ろうと思ったこのですか」


「生憎、行く宛もなくてのう」




__死のうとは、思わなかったのですか




「そうじゃのう…不思議じゃな…」




着物の袖で口元を隠し笑う姐さんの瞳には、僅かながら涙が溜まっていた




「私は所詮、闇に咲く花じゃ。闇に咲く花は、闇にしか憩えぬ。

そなたも、闇の花じゃ」



「それを決めるのは、貴女ではなく、私です」




姐さんは目を丸くすると、また笑った



「面白い奴じゃのう。じゃが、あまり光に憧れるでないぞ。堕ちた時、一番辛いのは自分自身じゃ」




光を知れば、光で咲く花になりたいと望むのだろうか




「孰れ判る時が来る」

七→←五



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作者名:MIA | 作成日時:2017年8月5日 20時

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