-運命の白い糸- (ページ27)

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＿＿＿ブーッブーッブーッ＿＿＿

私のスマホが震える。

画面には、“松尾太陽”の文字。

ドクンッ

まずいっ…

でも、それを見ても友達は驚くことは無かった。

それどころか変わらない形相で私を見ている。

まさか、さっきから何度もかかってたんじゃ…

それを友達が見た？

どうしよう。

椅子に座っている友達の顔を見るのが怖くて

座ることも電話に出ることもできず下を向く私。

緊迫した空気に心臓の音が速くなる。

ドキドキして指の先まで心臓の音と一緒に

ドクンドクン動くのがわかる。

電話が切れたスマホの画面には

案の定何件もの不在着信。

友達｢これってやでちゃん？｣

『………』

友達｢知り合いだとか言わないよね？｣

『………』

なんて答えるべきか分からず、

黙り込むしかなかった。

友達｢隠してたの？｣

『………』

友達｢なんか言いなよ！！！｣

『………』

友達｢もういい！私帰るね。｣

あんなに怒った友達、初めて見た。

でも、それくらい怒られて当然だった。

私は友達がずっと応援してた人と

裏で仲良くなってた。

友達からしたら、裏切られたも同然だろう。

いつか、私からちゃんと言えればなって思ってた。

だけど、勇気が出なくて後回しにしてた。

それにそんなことも忘れて

友達にライブまで連れていってもらって、

利用したようなもんじゃん…

私って最低だな。、