ゼロから始まる【降谷零】

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佐藤「管理官、顔赤いですけど…」

A「…なんでもない！


それより、私これから少し行くところあるから…



ないと信じたいけど、

何かあったら連絡して。」


そういって携帯をジャケットのポケットにしまい、

私は一課の部屋を出た。




…朝見ていた資料を片手に。




〜･〜･〜




伊達side



Aが部屋を出るのを見送ってから


伊達「ったく…朝からご苦労なこった」


そう言うと、佐藤は応えるようにしみじみと口を開いた。


佐藤「でも私、伊達さんに言われるまで本当に花澤管理官があんなに仕事熱心な人だなんて、

気づきませんでした。」

高木「管理官、最初は定時に出勤、定時に帰宅！って人に見えてましたからねえ…」


そう、あいつは、

ここに管理官として配属された直後、


自分の仕事を異様なほど隠していた。



本当は誰よりも早く出勤して仕事をしているのに、

他の奴らが来ると隠れるように1度立ち去ってから

また、たった今来たようにデスクに座って。


帰りも、誰より早く帰ったように見せて仮眠室で1時間足らずの仮眠を取り、

時には徹夜覚悟で仕事をこなしていた。


ダメな管理官を演じながら、あいつはずっと…




伊達「あの馬鹿には、かっこつけたい相手がいるんだよ。」


高木「…？」

佐藤「かっこつけたい…相手？」


伊達「ああ」



…ずっと昔から、あいつはそいつにとっての一番になりたがって、



伊達「…ほんとはとっくに、一等賞だってのにな…」

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