そしてゼロになる【降谷零/安室透】

39.沖矢昴という男 ページ41

「…そういえば、車内で事故があったって聞きましたけど…」


さっき車内放送で、そんなことを言っていた気がする。

蘭ちゃんなら、彼ら経由で知ってるのでは


と聞いてみれば、やはりだった。


「そ、それが殺人事件があったみたいで…

今、世良さんとコナンくんが現場に残ってるんですけど…」

「それなら毛利先生におまかせした方が良さそうかな？

僕らは大人しく部屋に戻るか、A」


「ええ。


…教えてくれてありがとう、蘭ちゃん。また後でね…」


そう手を振って彼女たちと別れた。





「(安室さん、Aさんと話すの敬語じゃなくなったんだ…)」




〜･〜･〜



その後、零はベルモットに頼んである赤井妹の排除をするとかで、

私は後で行くことになるであろう、8号車を歩いていた。


「…準備はまだ、か」


今回はベルモットが色々やってくれている、


…というか、零は少し今回の仕事から私を遠ざけようとしている節があるから、

あんまり私はやることがない。


零は…エレーナ先生と私が知り合いなのを知って、気にしてくれてるのかもしれない。


あの人の娘を殺さなければいけない、今回のことを…。


…あれ、でも


「…(私、零にエレーナ先生…ヘルエンジェルと知り合いなこと言ったっけ？)」




そんな風に考え事をしていると、

曲がり角から出てきた人とぶつかって転んでしまった。


「わっ…」

「おっと…すみません、


でも、過失の割合は50 50(フィフティ フィフティ)です。

前を見ていなかった貴女にも非はありますよ。」

「は、はぁ…すみません」


あれ、今のセリフどこかで…


「いえ、それでは…」


そう言って、相手は立ち去る。



…たしか、あの人は、沖矢昴とかいったはずだ。

この間零の色々調べていた時に名前があったのを覚えている。


でも、今のセリフは…



「…まさか、ね」

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