検索窓
今日:18 hit、昨日:1 hit、合計:198,328 hit

31.いつかの星空の下で ページ33

降谷side


「安室さん、安室さん」

「…なんですか、梓さん」


Aのことを考えていると、

梓さんは俺の顔をじっと見て言った。


「…安室さんって、Aさんのこと好きでしょう。」


「…えっ」


思ってもみなかった質問に、俺が返事もできないでいると、

梓さんはいたずらっ子のように笑った。


「ふふ、図星ですね。

そんな安室さんにプレゼントです!」


じゃーん!と大げさな効果音をつけて彼女が出したのは、

2枚の紙ーーーーどうやら、なにかのチケットのようだった。


「それ、暫く先なんですけど、

満点の夜空の下で映画鑑賞できるイベントのチケットです!

ロマンチックでしょう?Aさん誘ってお二人で行ってきてください!」


梓さんはそう笑う。



…確かに、あいつは喜んでくれそうだ。


「いいんですか?

梓さんが行きたかったんじゃ…」


でなければこんなチケット持ってはいないだろう。

そう思ったが、梓さんは慌てて手を振った。


「違うんです!それ、ポアロの常連さんから頂いて。

でも、私はあまり興味ないし、安室さんもAさんとポアロの店員ですから、

お2人が使ってくれるなら!」


そう梓さんがチケットを差し出してくれるのを受け取った。



この日までには、少しは俺もAも落ち着けていればいいんだが。

今のようにドタバタしていたら、行くに行けないだろうから。




「…ふふ、安室さんみたいな人に好きになってもらえるなんて、

Aさんはきっと幸せですね」


そんな梓さんの言葉に、心の中で首を振る。



…今まで、俺のせいで散々苦しませてしまったのは分かってる。


けど、少しはこれで息抜きして、楽しんでもらえたらいいな、

と思いながら

俺はチケットを懐にしまった。



「…チケット、ありがとうございます、梓さん」

32.久々の距離感→←30.次の標的



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (132 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
479人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

真柚(プロフ) - 由香さん» うわあああ素敵なお言葉ありがとうございます!!頑張って書くのでよろしくお願いします(^-^) (2018年5月13日 19時) (レス) id: 8ec7fb59c7 (このIDを非表示/違反報告)
由香(プロフ) - 毎回楽しみにしてます!続きが楽しみです^ - ^ (2018年5月12日 18時) (レス) id: 4e9eb2e5b9 (このIDを非表示/違反報告)
真柚(プロフ) - アオさん» ご指摘ありがとうございます! (2018年5月8日 7時) (レス) id: 8ec7fb59c7 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 梓さんの夢主の呼び方が統一されていないので、統一した方が良いと思います。 (2018年5月7日 19時) (レス) id: fe40a48a8d (このIDを非表示/違反報告)
真柚(プロフ) - 八木楓さん» ありがとうございます! (2018年5月6日 22時) (レス) id: 8ec7fb59c7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:真柚 | 作成日時:2018年4月22日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。