そしてゼロになる【降谷零/安室透】

21.無くなった ページ23

「それより、2人はなんでここに？」

「警視庁に呼ばれてたんだよ。

この前の、君を誘拐した犯人が乗った車に僕の車をぶつけて止めたあの一件で、

やりすぎだっんじゃないかって、再度事情を聞かれたんだ。


この後Aと出かける用もあったから、彼女にも同行してもらってね」

「へー…」


私が今喋る余裕がないのを零も分かってくれているようで、

上手く私に話を振らせないようにしてくれてる。



「まあ、ここに来たのは別の用があったのもあるけど…」


そこで、ようやく零も寂しそうな顔を一瞬浮かべた。



…そうだ、辛いのは私だけじゃないのに、強がって。

…ほんと優しいんだから、馬鹿。


「別の用って？」

「あ…気にしないでくれ




もう用は無くなったから…」


そう言って零は、また私の肩を抱き、

車を止めたパーキングへと歩き出した。


ちらりと後ろを振り返れば、コナンくんは不思議そうにこちらを見ていた。




〜･〜･〜



車につくと、零は助手席ではなく後部座席に私を載せて、

自分もその隣に座る。






「…泣いていいぞ、A」



.


.


.



私は零に抱きついて、子供みたいに泣いた。

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