そしてゼロになる【降谷零/安室透】

14.毛利“先生” ページ16

零とサンドウィッチを持って探偵事務所へ行くと、

毛利さん達は近頃噂になっている先日の銀行強盗事件のニュースを見ていた。


「朝からこのニュースばっかだな…」


そう毛利さんはつまらなそうに呟く。




「しかし、悪いことは出来ませんねえ…

強奪した2億円の殆どは本店から搬入されたばかりの新札で、

紙幣の記番号が丸わかりだったんですから…」

「ああ、使うに使えねえ金を掴まされたその強盗犯が捕まるのも時間の問題…




…って、何でお前らがここに!?」


まるで元からいたかのように話に入り込んだ零に、

毛利さんも驚いたようで、そう声を上げた。



「こんにちは、毛利先生

いつもお世話になっているので、私達からサンドウィッチの差し入れを。


…と言っても、作ったのは安室くんですけど。」

「もちろんお代は僕持ちなので」


そう言って渡すと、蘭ちゃんは嬉しそうに受け取ってくれる。




「にしても、Aさんまで一緒に来て下さるとは！」

「やめてください、毛利先生

一応貴方の弟子の助手なんですから、堅苦しい言葉なんて帰って申し訳ないですよ」


そう言いながら毛利さんに近づこうとすると、

後からくいっと、服の裾を引かれる。





「…安室くん？どうかした？」


私の裾をつかむ零は最初うつむいていど表情が見えなかったけど、

やがてはっとなって


「すみません…」


と安室透で謝った。




「ところで、今日来られる依頼人はどんな事件を？」


そう言って何事も無かったように話し始める零に、

変なの、と思いつつ、まあそんなこともあるかと思い直して、


また毛利さんと零と話始めた。

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