53.動揺と隠蔽 ページ8
落ち着け、落ち着け、と自分に言い聞かせる。
何でもないように、ひどく平坦な声で「どうかされました？刑事さん」と言う。
「…あの、私とどこかであったこと、ありませんか？」
「…ないと思いますけど…どうして？」
…ああもう、最近、嘘をつくのがどんどんうまくなっている気がして嫌だ。
「あ、…いえ…少し、高校時代の友人に似ていたので…
色々と」
…まあ、そうだろう。
顔は当たり前だが、私の場合下の名前も変えなかったから、
昔の知り合いからすれば初見で違うのは名字くらいだし…
「そうなんですね。
でもまあ、初対面だと思いますよ。」
「そうですか…」
…ああ、あまり納得してない顔だな、これは。
結衣は相変わらず分かりやすかった。
…少し戸惑ってから、彼女は切り替えて刑事に戻る。
「ええと…お二人は今日何故ここに？」
その問いには零が答える。
「二人で旅行に。
今日の夜、この近くで星空の下で映画を観る…なんていう粋なイベントがありまして
それを観るついでに温泉旅館に一泊する予定です。」
「(はは、梓さんが言ってた2人のデートって…これかよ…)」
なんだろう、コナンくんに呆れられている気がする…
その反対に蘭ちゃんはきゃっきゃとはしゃいでいた。
「Aさんと安室さんデート中だったんですね!!」
「ぇ、や、えーと…」
「はい！なにせ、彼女は僕のフィアンセですから」
…待て、何を言い出したんだこの男は。
「違うでしょ！ただの友人！仕事仲間です！」
慌てて答えると、
蘭ちゃんはニヤニヤしながら、コナンくんと話し始めた。
…すかさず、私のところには零がくる。
零は私の耳元に口を寄せて、小声で話しかけた。
「フィアンセは言い過ぎたかもしれないが…
前も言った通り、俺はデートのつもりで誘ったし、それに…
…お前のあの“透さん”って呼び方、夫婦みたいだぞ。
そういう訳だから、多少の誇張表現は許せよ。」
「な…っ//!」
零はクスリと笑って、毛利さんたちと話しにいってしまった。
…ほんと、
「(安室透ってずるい。)」
降谷零だったら言わないようなセリフをさらっと言ってしまうんだから。
「(くそ、告白もしてないのに攻めすぎたか…？…いや、でも
安室透ならあのくらいのこと言うだろう。)」
零が心中そんなこと思っていたのを、私は知る由もない。
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真柚(プロフ) - アオさん» 前回に続き何度もすみません…ありがとうございます!! (2018年5月27日 23時) (
レス) id: 8ec7fb59c7 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 58の夢主sideの「どうかした？」が、「どうしかした？」になっています。 (2018年5月27日 14時) (レス) id: 82f5449f8d (このIDを非表示/違反報告)
真柚(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます！助かりました<(_ _)> (2018年5月18日 20時) (レス) id: 8ec7fb59c7 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。その旨ではなく、その胸です。 (2018年5月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真柚 | 作成日時：2018年5月16日 13時
