71.あの日から ページ26
「「…」」
ようやく落ち着いて、ホテルへ向かう車の中。
なんとなく気恥ずかしくて、二人揃って黙っていた。
けれど、暫くして、ようやく零がつぶやくように言う。
「お前とこうしてまた一緒にいれて、本当に…良かった」
「どうしたの、急に…。
何度も言われるとさすがにちょっと照れるんだけど。」
その言葉に零はくすりと笑う。
「照れろ照れろ。照れた顔も可愛いから。」
「もう…」
「はは、拗ねるなよ。
…前…お前と付き合う前にさ、あいつらに言われたんだ。
『お前、Aがいないと本当にダメだな。もしフラれても死ぬなよ、降谷』って。
その時は、否定したんだ。そんな訳ないだろって。でも…」
…そこで、ようやく車が旅館の駐車場について停車した。
零はそうして私の方を見る。
「…お前と1度、組織潜入前に別れた時、
心に穴が空いたみたいに辛くて、息苦しくて…
…その時、ちゃんと気づいた。お前の存在の大きさに。」
「零…」
「A、もう死ぬまで離す気は無いからな。覚悟しておけよ
…あと、何度も言っているが、…お前は絶対に、僕より先に死なないでくれ。」
零が想っているのは、今まで先立っていった友人や大切な人たち。
まったく、この男は…
「…本当に、零ってひどい人だよね。」
「は」
「だって、自分はいつ死ぬかわからないから永遠の約束はできないなんて言っておいて、
私には死ぬな、なんて…
前言ってくれた『お前を残していなくならない』って言葉はどこに行ったの？」
ちょっと仕返しだ、とそう言ってみれば、
零はバツが悪そうに、すまん、と。
別に責めたいわけじゃないけど、零にはいつもやられっぱなしだから
してやったりだ。
「なんてね…分かってるよ。零の気持ちは。
大丈夫、私はずっと、どんな形であれ零の傍に居るって決めていたから。」
…そう、あの時からずっと、ーーーーー
ー･ー･ー
長い期間書いている関係で、おかしなところが少しずつあるのでゆっくり修正していく予定です。
(緑川唯→景光、降谷の一人称等)
よろしくお願いします。
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真柚(プロフ) - アオさん» 前回に続き何度もすみません…ありがとうございます!! (2018年5月27日 23時) (
レス) id: 8ec7fb59c7 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 58の夢主sideの「どうかした？」が、「どうしかした？」になっています。 (2018年5月27日 14時) (レス) id: 82f5449f8d (このIDを非表示/違反報告)
真柚(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます！助かりました<(_ _)> (2018年5月18日 20時) (レス) id: 8ec7fb59c7 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。その旨ではなく、その胸です。 (2018年5月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真柚 | 作成日時：2018年5月16日 13時
