8. 違う ページ9
○
「 帰りの会するぞー 」
赤葦くんと教室に戻ったあと。
帰りの会。中学生かと思う。少し。
「 明日も午前だけで教科書とか配るぞ 」
「 来週からは部活も始まるからなー 」
部活。その言葉を聞いた瞬間左隣の
赤葦くんの眉間がグニュッ。ぴきぴき。
「 …ふっ 」
「 …青木さんどうしたの 」
「 だって赤葦くん、部活って聞いた瞬間 」
「 眉間がぴきぴきってしてるんだもん 」
「 …そう? 」
「 うん 」
自分じゃ気づかないよね。わかるよ。
私も入学式の時そうだった。(二物参照)
「 赤葦くん、部活大変? 」
「 大変だけど、やり甲斐はあるよ 」
「 へぇー、凄いね 」
「 試合見に来ればいいのに 」
「 バイト無い日ね 」
赤葦くんはちょっと目を見開いた。
そんなに私が行くことが意外なのか。
見に行くとか考えた事なかったけども。
でも赤葦くんが部活って聞いただけで
皺を寄せるんだからちょっと気になる。
「 青木と赤葦聞いてるのかー? 」
「 聞いてます聞いてますー 」
「 すみません 」
先生に怒られた。私達あんま怒られないのに。
不思議なこともあるもんだなぁ。
「 帰りの会はここまで、各自寄り道せず帰宅な 」
「 はーい 」
バタバタとみんな立ち上がり、礼をして
どんどん教室から出ていく。
「 じゃあね、赤葦くん 」
「 あぁ…青木さん、また明日 」
【 また明日 】
友達からなら誰にでもまた明日、なんて言葉
貰うのにこんなに嬉しかったものか。
赤葦くんだからなのか、否か。
好きなのか、それはきっと、違う。
違うから私は同じ言葉を返す。
「 うん、また明日! 」
気づくのはまだ先でいい。
○
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猫だと被る。じゃあどうしろと!?(プロフ) - 赤葦を書いてくれるとか神ですか?そうなんですね!?ほんと、顔がずっとにやけてます。ありがとうございました (2020年8月29日 6時) (レス) id: 96098a2a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃぴ | 作成日時:2020年5月9日 23時