進展、なし？ ページ49
恋にも勉強にも悩みに悩みまくってる5月前半。
そのままスガさんとの進展はなく2週間が過ぎようとしていた。
(もうすぐ、夏、かねぇ。…いーや、まだか)
窓から入り込む生ぬるい風を浴びながら呑気にそんなことを考えていると、前の方から先生の呆れた声が聞こえた。
「ここではイギリスの初代国王が…
…おい誰か日向起こしてやれ」
先生が声をかけた右斜め後ろを見てみる。
オレンジのふわふわの頭…が赤べこのように上下運動をしていた。
よく見るとノートはヨダレで濡れている。書かれている字はあちこちに伸びており、解読不可能だった。
(まーた寝てるし…。私も人のこと言えないけど、毎授業じゃん…w)
起こす人もいなさそうだし、と私は仕方なく振り向き、日向の肩を揺さぶる。
『日向、日向ってば』
「んぅ…ショダイコクオウは俺が倒すっ！！
かかってこい青葉城西！！！！｣
『それ別の王様！！王様違い！！そもそも及川さんは国王じゃねえわ！！！』
ツッコミを入れながら頭にチョップをばしっとぶち込むと、「ぐぇっ」と短い悲鳴をあげて素早く彼が起きあがる。
教室内からはクスクスと笑い声が聞こえる。やば。絶対変な人って思われたじゃん。
「日向。部活に熱心なのは充分だが、俺の授業も熱心に聞いてくれるとものすごく助かるんだけどなぁ〜」と苦笑いをしながら頭を搔いた先生に、「す、すみません…」と同じく頭を搔く彼。
そんな感じの所で、ちょうどよく2時間目の世界史の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
*
「波羅野！…さん！おれ、ノート取ってなくて…
見せてくれないかなー…なんて…」
『あ〜…めっちゃ字汚いけどそれでも良ければ。
あとさん付けなくていいよ』
「大丈夫！多分絶対おれよりは綺麗だから！！」
(それ…いい意味の言葉だよね？)と私は数回瞬きをした後に、引き出しに入っていたノートを日向に渡す。
「あざっす！書いたらすぐ返す！！」
『すぐじゃなくていいよ。どうせ明日も会えるしゆっくり…ってもう居ないし』
結局この日私は、毎授業後寝ぼけている日向にオール全教科のノートを貸すのであった。
『アホ日向！』
「…波羅野も同じくらいの成績じゃね？」
『口を慎んで頂けますかね！？！？』
*
じわじわと夕方の暑さを感じてきた頃。今日は部活がなかったので早めに帰れる。今日も平凡な毎日が終わる。
と思っていた。のに。
なんでこんなことに。
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さく。(プロフ) - 千春さん» 最初の方にも記載してある通りこの作品はパラレルワールド的なものなので初期の頃にいなかったキャラも最初から存在しています！ (2022年2月20日 16時) (
レス) id: f74e653649 (このIDを非表示/違反報告)
千春(プロフ) - 入学の時って旭さんいないんじゃないでしたっけ (2022年2月20日 16時) (レス) @page13 id: b4c1430361 (このIDを非表示/違反報告)
さく。(プロフ) - 夏雨さん» ありがとうございます…！亀更新ですが何卒よろしくお願いします…！ (2021年5月15日 12時) (レス) id: beaf68d78a (このIDを非表示/違反報告)
夏雨(プロフ) - 菅原さんとの絡み方大好きです！更新頑張ってください！ (2021年5月14日 9時) (レス) id: 1f12b442c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さく。 | 作成日時：2020年9月1日 23時
