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聞かせてください ページ46

優しい風が頬を撫でる。
頬から耳にかけてゆっくりと囁きながら、茜色に染まった空に溶けて消えていってしまった。


(いつになってもスガさんの隣は慣れないなぁ…)とカチコチな私なんて知らずに「波羅野は?何食う?」と罪な笑顔を向けてくるのだ、彼は。


坂の下を出て、隣を歩くスガさんの顔を伺う。
烏養さんに「お?お熱いねぇ〜いいなぁ学生は…」なんておまけしてもらったぐんぐんバーを片手にご機嫌な様子。
貰ったアイスをかじりながらちらりと隣を伺う。
スガさんの肌は色素が薄い。女の人に負けないくらいに睫毛が長くハイライトが入った瞳は、見ていて吸い込まれそうになるほどに綺麗な景色を映し出していた。



「へへ、アイス得しちゃったべな〜」

『私は色々と疲れました…』

「え?」

『あ、いや…こっちの話っす…』




バレたくない、けど、

気づいて欲しい。

気づいて欲しくない。

どんどん声が小さくなる私の顔に、スガさんの顔が近づく。

「な、波羅野。もしかして俺が体育館で言ったこと気にしてる?あれ冗談冗談!
…ちょっと悲しかったけど気にしてないから気にすんな!元気出すべ?」


…ちがーーーーーう………………!!!!!



『…すっ、スガさんは!乙女心を!もっと知った方がいいと!…思いま、す…』

ヤケクソで叫んだ割に最後は蚊の鳴くような声になってしまった私。くそ。ばか。弱虫…。

ぎゅ、と唇を噛み締める。




『スガさんは私の事、どう思ってるんですか?
ただの後輩、なんですよね?ほかの後輩にもこういうことしてるんですよね?』


私はスガさん以外考えられないのに。


ゆっくりと顔を上げ、さっきより顔を近づける。
私の瞳に彼の顔が映る。瞳を開き、驚いた表情を浮かべた彼から目を離さずに見つめる。


しばらくフリーズしたスガさんは、閉じていた唇を開いた。







「俺は、」









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さく。(プロフ) - 千春さん» 最初の方にも記載してある通りこの作品はパラレルワールド的なものなので初期の頃にいなかったキャラも最初から存在しています! (2022年2月20日 16時) (レス) id: f74e653649 (このIDを非表示/違反報告)
千春(プロフ) - 入学の時って旭さんいないんじゃないでしたっけ (2022年2月20日 16時) (レス) @page13 id: b4c1430361 (このIDを非表示/違反報告)
さく。(プロフ) - 夏雨さん» ありがとうございます…!亀更新ですが何卒よろしくお願いします…! (2021年5月15日 12時) (レス) id: beaf68d78a (このIDを非表示/違反報告)
夏雨(プロフ) - 菅原さんとの絡み方大好きです!更新頑張ってください! (2021年5月14日 9時) (レス) id: 1f12b442c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さく。 | 作成日時:2020年9月1日 23時

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