カフェラテと貴方と。【菅原孝支】

似たもの同士 ページ17

(情報量が多すぎた10分間だった…)

西谷さんにひたすら土下座したあと、改めて練習が再開された。
やっぱり体育館の中はムシムシして暑苦しい。よく清水先輩はジャージなんか着てられるな…



「清水ー、替えのタオルとかあるかな？汚れちゃって」

タオルやらなんやらの準備を清水先輩としていたら、横からインパクト強めの顔面がぬっと飛び出してきた。
私は『ぎゃぁっ！』と
本日3度目の短い悲鳴をあげる。


「これでいい？」と彼女が差し出したタオルを「ありがとう、助かるよ」とおずおずと受け取る巨体。
やっぱり破壊力ありすぎ、と全身を眺めていると、彼の視線がこちらに動いた。

「…ごめんな？俺こんなで驚かせちゃったよね…

やっぱりこの見た目どうにかしなきゃ人が寄ってこないのかな………」

(…でかい身体の割に考えること小さい)

どんどん縮こまる彼が少し面白くて吹き出しそうになる。
改めて私より高い位置にある顔を見る。

『大丈夫です、こちらこそなんかすみません。
旭さん、ですよね？』

「あ、名前知っててくれたの？」

『いえ！す、スガ…さん？が旭旭言ってたのでそうかなって』

「あーなるほど…
東峰旭です。どうぞまあ色々あるだろうけどよろしく…」

『あ、波羅野Aです…こちらこそお世話になります…』

2人同時に頭を下げる。
近所付き合いのような感覚で会話をしている私達に、清水先輩が「ふふ」と吹き出す。


「なんか2人、似てるね」

「え、そうかな…」

『なんで嬉しそうなんですか…w』


ひとしきり3人で笑いあったあと、旭さんは「じゃあ波羅野、これからよろしく」と行ってしまった。

(似てる、かぁ…)

旭さんの背中と自分の手を交互に見つめ、ゆっくりと拳を握った。







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