カフェラテと貴方と。【菅原孝支】

日向 ページ13

「3年キャプテン、澤村大地。よろしくな、波羅野」

キリッと逞しいお方が自己紹介をする。
本当はその隣にいる超絶かっこいい彼の名前を聞きたいのだが、気持ちを引っ込めた。

『よろしくお願いします！』


せっかくなので、ということでキャプテンが少し長めの休憩を取ってくれた。
みんなの様子とか雰囲気になれて欲しいらしい。


(あの人の、名前が知りたい)


そわそわしながら体育館を歩き回っていると、
「なぁ、もしかして同じクラスの子！？」
ひょこっと飛び出してくるオレンジ頭があった。
どこかで見覚えがある顔に、『あ、』と声を上げる。

『日向、くんだよね！！』

「おう！！日向翔陽！！！日向でいいよ！！」

『日向バレー部だったんだ…！』

「うん！ところで、波羅野さんはなんでマネージャーに？」

痛い所を突かれる。この場合はなんて答えるのが正解なんだろう…？



(カフェラテを拾ってもらって一目惚れして探し回ってたまたま体育館覗いてたら連れてかれた、なんて言えるわけない…)




『ｱｰ､中学の時にバレー部ダッタンダヨネ、、』


「へー！！おれと同じだ！！すげーなー！！」


あからさまに棒読みだけど日向にはバレていないらしい。
大きな瞳をキラキラさせて犬のように話しかけてくる日向の懐っこさに少し胸が痛む。

(やめてそんな目で見ないで日向…)


「日向ボケ！！早く練習すんぞ！！！」

「Aちゃん、ちょっといい？」

同時に呼ばれる私達。日向は「相変わらず影山は人使い荒い野郎だな〜…」と呟いた後
「じゃ、波羅野さんも頑張って！マネージャーよろしく！」と手を振って行ってしまった。


(影山…？どっかで聞いた気が)


心の中に少しもやもやを留めたまま、清水先輩がいる所へとダッシュした。




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