一騎打ち ページ28
．
当然、カムイくんはリンチを食らっていた。
その際に手放されたボールをケロリちゃんが拾いに行くのをぼんやり眺め、あることに気がつき目を見張った。
何故か、他の種類のボールが沢山転がっていた。
転がってくるボールが来た道を目で追うと、なんとクララのポケットによって量産されていることが分かった。
どんどん地面を埋め尽くすボールに皆戸惑う。
「本物どれだ！？」
「わっ転ぶ！」
「も〜うるさいなぁ…」
騒がしくなったことがアガレスくんの気に触ったのか、「邪魔！！」と彼は叫んだ。
その瞬間地面にひびが入り、隆起が起こる。
空中に浮かんだ本物のボールを見つけ、キャッチしたのは…
「入間！！」
「やべっ！」
入間くんだった。
早速オペラさんとの特訓の成果が出ている。
本人も嬉しそうな表情を浮かべていた。
あとは投げるのみ。ボールを投げようと入間くんは腕を振り上げた。
が、何故かものすごい形相のまま、固まった。
いつまで経っても投げない入間くんに、「攻めは任せい！」と助け舟を出したのはサブノックくん。
「己がその腑ぬけを…討ち取る！！」
と声を張り、アズくん目がけてボールを投げた。
ボールには目もくれないアズくん。きっと当たり外野行きだろう。と思っていたが……
アズくんはボールを受け止めた。
片手で、体制を崩さないまま。そして、投げ返した。
「思案の…邪魔をするな！」
ボールは見事にサブノックくんに当たり、悔しそうにしながら外野に回ってきた。
その後もクララがアズくん目がけて「サブローの仇！」とへなちょこボールを投げるが、簡単に取られ、アウトとなっていた。
どんどん試合は進んでいき、そして＿＿＿とうとう、アズくんと入間くんの一騎打ちとなった。
これには大いに盛り上がりを見せる。
試合が始まってからどこか上の空だったアズくんはようやく場の自体に気がついたのか、少し戸惑った様子を見せた。
ここでようやく、入間くんが攻撃の仕方を教わっていないことに気がついた。
アズくんも気づいたからこそ、投げる事が出来ないのだろう。しかし、入間くんの目は本気だ。
本気で位階を上げたいからこそ、きっと、わざと勝たせるようなやり方は許されない。
そんな入間くんの気持ちを汲み取ったのか、アズくんは急に真剣な顔つきになり、炎を纏い始めた。
「私は礼節を重んじる悪魔、アスモデウス・アリス＿＿＿＿本気でいかせていただきます！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ペグ(プロフ) - あまねさん» あまねさん、コメントありがとうございます！ご期待に添えるよう、精進します！·͜· ꕤ︎︎ (5月10日 16時) (
レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 好きですぅぅ (5月9日 9時) (レス) @page45 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ペグ(プロフ) - めぇちゃりおる.⁠｡⁠*⁠♡さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！多忙期により更新が不安定ですが、暖かい目で見守ってください₍ᐢ‥ᐢ₎ ♡ (2月15日 15時) (レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
めぇちゃりおる.｡*♡ - この作品読んだ瞬間お気に入りになりました！！更新も楽しみにしてます！ (2月15日 14時) (レス) @page26 id: 094e17a662 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ペグ | 作成日時：2024年1月30日 22時
