これがまさしく腐れ縁。

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ジャンside

もう泣かないとあいつは言った。

顔を鼻水と涙でぐしゃぐしゃにしながら、兵士になりたいからもう泣かない、と。

昔から、調子者で単純で肝心な時に馬鹿を出し、気付けば泣いていることもままあった。

迷惑な奴ではあるが不快な訳じゃない。

転んで泣くあいつを立たせるのも、腹が減って泣くあいつを黙らせるのも、鼻水まみれの顔を拭くのも俺の役目だと思っていたからだ。

あいつ泣き顔は昼間の空くらい見慣れたものだが、見飽きたことは1度もない。

だから、泣けばいい。

俺の目の届く範囲でくらい泣けばいい。

今にも泣き出してしまいそうな、不安そうな顔を見るくらいならいっそ泣いてくれた方がマシだ。

そうすれば、涙を拭ってやれるのだから。

そう思って、泣けと言った。

冷たく震える手をにぎってやりながら。

だけど、意固地なあいつは自分で決めたことは決して曲げない。

泣かないと断られた。

いつまでその意地が続くか見ものだな。

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